国立大学の学食、というと、メニューが少ない、美味しくない、営業時間が短い、といったイメージが付きまとうようです。

 

しかし、筑波大学の学食は様々なジャンルに及び、さらに最近ではキッチンカー(トラックで調理販売できるようなシステム)を導入することで、広い学内で食料困難に陥っていた人を救済しようとする動きまであるそうです。

 

さらには、イスラム圏の方々のように、信仰上特別な手順によって加工された食料しか口にできない方もいますが、そのような方向けの食堂までできたということです。

 

このように、筑波大学はわりあい食事環境に恵まれた大学ではあるのですが、これらの食堂、実は一般の方々も自由に利用することができるのですが、ご存知でしたか?

先日はショッピングセンター構想についてご紹介しましたが、今回は食事情についてご紹介します。

筑波大学の敷地内にショッピングモール!?【開かれた大学】

つくばにおける「研究所食」

独立行政法人化前は比較的自由だった研究所の入構

つくばにある研究所は、民間によるものを除けば昔は比較的自由に入構することができました。

いわゆる、「国立研究所」の時代です。

 

もちろん、守衛所があるのでそこで入構理由を言わなければなりませんが、「食堂に行きたいから」という理由でも簡単に入構できたのです。

 

だから、学生の頃はお昼ご飯とか、夕食を食べるためだけに研究所巡りをやってたりしたものです。

その頃はネット環境も現在とは違い、情報は「いわゆる」インターネット(WWW)ではなく、ネットニュース(fjとか)で仕入れていたのですが、研究所の食事情を聞くために質問をして見たら、「美味しくないから来ない方がいいよ」と言われたりもしたものです。

 

ちなみに、例えば国立研究所時代の電子技術総合研究所(ETL)、現在の産業総合技術研究所は、東大通りから入れば守衛さんがいましたが、別の入り口には守衛所もなかったりしたと記憶しています。

また、つくばの研究所はどこも比較的垣根が低かったり、あるいは全くない研究所(これは民間も同じ)しますが、これも市民との距離を近づけることを目的としていたと覚えています(実際は条例か何かあったと思います)。

独法化後の食事情

独立行政法人になった後に研究所に行くことは、子どもたちを見学施設に連れて行く程度しか機会がないため正確なことはわかりませんが、一般の人が自由に入れる食堂というのはかなり少なくなったように思います。

 

去年の夏休み、子どもたちを研究体験などでいくつかの研究所に連れて行きましたが、体験が終わった後に個人的に聞いてみても、「現在は開放していない」という答えが多かったように覚えています。

 

しかしその一方、一般の方も利用できるように食堂やカフェを併設している施設もあります。

高エネルギー加速器研究機構(高エネ研、KEK)

上記の喫茶室(風来夢)は、見学施設からすぐの場所にあるので、比較的容易にアクセスできます。

他にも、上記リンク内のメニューから食堂などの施設を見ることができますので、いわゆる「食堂」も体験できると思います。

国土地理院 「地図と測量の科学館」

 

平日であれば、本館の売店も利用できるようですが、食堂は現在利用できないようです。

ちなみに、「地図と測量の科学館」は地図マニアは必見です。

産業総合技術研究所

今ちょっと調べてみたら、こんな案内を見つけました。

https://www.nmij.jp/~metroltrain/ja/kyosyu/dinner.pdf

常時利用可能かわかりませんが、興味がある方は訪ねてみてはいかがでしょうか。

国立大学における食事情

国立大学の食堂は、国立研究機関が独立行政法人として組織変更するのと時期を同じくして変化が現れてきました。

 

それまでは、いわゆる「食堂」がいくつかあって、昼と夕方の数時間だけ営業、メニューはせいぜい3つだったのが、民間資本が入ることで(大学は賃料を得る)、コンビニやファーストフード店が営業されるようになってきた大学もあります。

 

以前学生のとき、慶應大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)の中でサブウェイを見たときには「さすが私立大学だな」と感心したものですが、今は国立大学でも展開しているようです。

 

ちなみに、筑波大だとスターバックスコーヒーが二軒(大学付属病院と中央図書館)、タリーズコーヒーが一軒(大学付属病院)がありますね。

筑波大学における食事情

広いキャンパスが故の店舗数

では、筑波大学はどうかというと、店舗の数だけでも少なくとも片手で数えられないほどの数があります。

南北4kmの敷地(宿舎も含む)と、現在では春日キャンパス(元図書館情報大学)や東京の大塚キャンパスもありますから、それらを入れるともう少しだけ店舗数が増えます。

 

筑波大学は、従来の理系・文系という考え方ではなく、両方を総合的に捉え(学際的な研究として扱う)、その内容を基礎分野から応用分野に分けることで研究・教育施設を作っていますので、大きく分けて5つのエリア(第一から第三エリア、および芸術・体育の各専門学群)があり、それぞれのエリアごとに食堂やパン屋などが軒を連ねています。

筑波大学には歴史的事情で生協がありませんので、代わりに厚生会がありますが、上のページを見ていただければ、大学内にある食堂の多さにびっくりされるかと思います。

 

しかも、その数は僕が学生だった時代よりも減るどころか増えているのも驚きです(宿舎は残念な結果に向かってますが…)

キッチンカーの出店

それでも、学内が広すぎるため、食堂の利用が困難な学生がいるらしく、そのような学生のために最近はキッチンカーが出店しているそうです。

 

つくばでキッチンカーというと、一番真っ先に思い浮かぶのは「アリーさんのケバブ」ですが、筑波大学内のキッチンカーはいろんなところからやってくるようです。

 

この情報も公開されていますし、最近はTwitterもやっているようなので、見てみると面白いかもしれません。

ちょっと古いですけど、流山にあるちょっと有名なカレー屋も出張してきたようです。

http://www.tsukuba-koseikai.com/wp-content/uploads/bf6976489ec5b297d6071f9a0ebd5c581.pdf

筑波大学の学食を食らう!

さて、前置きが随分と長くなりましたが、筑波大学の学食を食べて見ることにしましょう。

 

実は、時々夕食を手抜きしたくなるときに、昔からよく大学の食堂に家族づれで行くことがありました。

このような光景は珍しいことではなく、特に留学生などはよくやっていることでしたし、同じ建物内にフードコート風に食堂が入っている所もありますから、わがままな子どもづれでも好きなものを食べさせることができます。

 

また、時々中高生の集団と会うことがあるのですが、彼らも何を食べようか悩んでいるようにさえ見えます。

 

今回は数ある学食の中から、第三エリアの学食を体験して見ることにしましょう。

第三エリアの学食

第三エリアには、食堂、フードコートうどん・そば専門店、フードコートカレー専門店、フードコートラーメン専門店、フードコート和食専門店、粉とクリーム(焼きたてパンとパスタ類)のほか、売店(書籍で有名な丸善が運営するコンビニ)、パン販売(鈴家)があります。

 

また、工学系専門書と文具類に限られますが、書籍部もあります。

 

和食と売店、書籍部、パン販売を除けば土曜もやっていますし、平日でも多くのお店が19時前後まで営業しています。

先日家族づれで行ったところ、うどん、ラーメン、パスタと分かれました。

本当は全て紹介したいのですが、ここではその日に食べたお店だけ紹介したいと思います。

粉とクリーム(喫茶)

パスタ、グラタン類の他、店内で焼いたパンを販売しています。

みなさん、このお店は「粉クリ」と略しているようです。大学内に全部で三店舗あります。

粉クリ(粉とクリーム)
粉とクリーム 粉クリ
粉とクリームの店構え。
iPhoneのカメラだとどうも構図の収まりが悪いですが、店内は結構広く、中央にキッチンがありその周りに机があるような感じです。
実はこの粉クリ。

小山、古河、下妻にもお店があり、筑波大の方は支店という位置付けなのですが、食事を提供しているのは筑波大の店舗のみのようです。

粉クリのカルボラーナ
粉クリのカルボナーラ

娘が頼んだカルボナーラ。パスタにはフォカッチャが付きます。

カルボナーラの興味深いところは、お店独自の味付けがあり、その日の気分に合わせて食べる店を決められる点でしょうか。そういう点ではラーメンに似ているかもしれません。

 

粉クリのカルボナーラはかなりあっさりしていますが、チーズ大好き娘には好評でした。

粉クリのスープスパ
粉クリ 鶏肉ときのこのクリームスパ

奥さんが頼んだ鶏肉ときのこのスープスパゲティ。

結構な量がありますが、これで500円しないのがいいですね。

 

平日であればパンも焼いていて、子どもたちはここで販売されている「切り株」のパンをよく食べるのですが、今日は土曜日でしたので扱いがなかったようです。

うどん・そば専門店

西の人間が関東に来たときに戸惑うのは、だしの味が全く違うことです。

どん兵衛さえも、西仕様(W表記あり)を見つけたら箱買いするくらい、だしの味は重要です。

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このお店は、うどんだしは関西風で、そばは関東風で出してくれます。

うどん専門店

でも、いつも食べるのはこのメニュー。

ボリュームたっぷりのカレー丼セット
カレー丼セット

ざるうどん大盛りにカレー丼セット。

カレー丼はちゃんと和風だしになってます。

 

実は、僕はうどんもこだわりがあって、讃岐うどんのようなコシの強いうどんよりも、九州に多いコシのないうどんの方が好きなのです。まぁ、慣れと言いますか…

それこそこっちの方に来てコシの強いうどんを食べたときにはそれはもう苦戦したものですが、最近はさすがに慣れました。

 

このお店のうどんはコシはそこそこなのですが、喉越しがよくだしの風味も良いので、子どもたちが毎回色々食べている中、僕だけ結局このメニューになってしまいます。

 

これもワンコインでお釣りが出ます。

カレー専門店

特徴的な店構えのカレー専門店。

チーズカレーを初めて食べたのは実はこのお店だったりします。

あと、お母さんカレーって気になりますよね。

カレー専門店

カレー好きな息子が頼んだ一品。ビーフカツカレー。

ビーフカツカレー

ソースもビーフ、ポーク、チキンがあり、トッピングも様々ですので、一応券売機でおすすめメニューを選ぶことになっていますが、アラカルトでオリジナルを作ることも可能です。

 

胃袋に限界がない学生には人気のお店のようで、特に値段の割には腹持ちが良いチキンカツの方がよく出ている印象があります。

 

ちなみに、息子はこれだけでは足りなかったようで、追加でもう一枚カツを頼んでいました。

「よく食ったなぁ」はマスターのお言葉。

ラーメン専門店

別の日に食べた写真があったのでちらりとご紹介。

ラーメン専門店

先ほどのカレー専門店の印象が強すぎてシンプルに見えますが、日本全国から集まった学生の要望に応えるべく、博多とんこつラーメンからみそコーンバターラーメンまで、様々なラーメンが食べられます。

 

大学のラーメンっていうと、どのような味でも全て同じ麺を使っていてショック…ということがよくありますけど、ここはきちんと味ごとに違う特徴の麺を使っています。

 

ちなみに、ここのとんこつラーメンは三百円で食べられます。味は下手な家系より全然マシです。

とんこつラーメンを食する

ある日の写真。

カレーじゃなければラーメンという息子は、もちろんとんこつラーメンをオーダー。

 

で、筑波大の食堂はなぜかどの店でも子ども用の取り皿があるんですよね(というか、つくばのどんなお店でもそうですが)。

アクセス

で、筑波大の食事を食べたいとして、問題となるのが交通アクセス。

一般的にはバスか自転車の利用ということになりますが、自家用車を使う場合のアクセスについてもメモしておきたいと思います。

食堂の場所

まずは食堂の場所。

今回行ってみたのは、上の地図のうち、「第三エリア」になります。

そのほかのエリアにも食堂はありますので、気になった方はWebページで確認してみてください。

バスでのアクセス

つくばセンター、およびJR土浦駅・荒川沖駅・ひたち野うしく駅などから、次の行き先のバスに乗り、「第三エリア前」で下車。

  • つくばセンターから筑波大学循環(左回り・右回り)
  • 筑波大学中央

食堂まで徒歩5分ほど。迷ったら近くの学生に聞くのが早いです。

自転車でのアクセス

google mapなどで「第三エリア前」を目標に、自宅などからのルートを検索するとわかりやすいと思います。

自転車置き場は大学のいたるところにありますので、食堂に近いところを使うのが良いと思います。

ただし、置き場所は守るようにしましょう。

自家用車でのアクセス

大学の案内を見ると、自家用車でのアクセスについても案内してあります。

基本的には守衛室で入構証をもらい、第三エリアに近い外来者用駐車場を使うことになります。

 

以下に筑波大学交通安全会の案内を掲載していますので、トップページの左側にある「一般受付」を参考にすると良いと思います。