マリンケアプログラム(MCP)です。
レッドシー コンプリートケアプログラムのチャートです。

(MMCプランニングのページより引用)
順番としては
stage-1でサンゴの成長を促進させ
stage-2で硝酸塩とリン酸塩を極限まで減らし
stage-3で栄養塩から摂取できなくなった栄養源をアミノ酸などの形で補給し
stage-4で微量元素を使いサンゴの色揚げを行う
という流れになります。
もちろん、stage-1を実施する場合でも、SPSの場合は硝酸塩濃度が2-4ppmを超えると維持が難しくなるため、stage-2で使うNO3:PO4-Xを使うことによって栄養塩をコントロールすることになります。
また、stage-1で行っているカルシウム、マグネシウム、炭酸塩硬度のコントロールは、当然のことながらstage-2以降でも行う必要があります。特にstage-4では微量元素の添加量を決定する一つの方法として日々のカルシウム添加量から計算するという方法があるため、カルシウムの添加量を把握していることは重要です。
また、stage-3で使うリーフエナジーですが、他のステージでも使うことができますし、そのための添加量もチャートには掲載されています。
このように、RCPは実施してゆく流れが明確に決まってはいるものの、どのステージで何をやるべきかはあらかじめ十分に把握しておく必要があります。
さて、最近考え直しているのが、このステージの適用方法についてです。
stage-1では、サンゴの生成促進を目的としています。
そのため、カルシウム、マグネシウム、炭酸塩硬度のレベルを以下のように指定しています。
Ca:475ppm
Mg:1420ppm
KH:12.7dKH
しかし、ここで問題が生じます。
俗説の範囲を超えませんが、一般的には高KHの状態ではRTN、STNが起こりやすくなるという話があります。
実際、KHを12.7dKH近くまで上げることで、一部のSPSがSTNにかかるようになりました。
また、高KHでハードコーラルを育成すると骨格がもろくなるという話もあります。
では、なぜstage-1が存在するのか考えてみたいとおもいます。
それは、SPSを始めとするハードコーラルの流通状況にあると思われます。
日本の市場ではワイルドにおいては完全個体(根付き、ホール個体)、ブリード物でも不格好ではあるものの土台があり枝分かれがある程度進んでいるものが流通しています。
一方、海外では必ずしもホール個体の流通が良いわけではありません。
ブリードも、土台に枝一本だけという個体も珍しくありません。
そうなると入手した個体をある程度大きくなるまで成長させる必要があるでしょう。
逆に言うと、割合大きなブリード個体やホール個体が入手できる日本の水槽では、危険を冒してまでサンゴ類を高KHの環境に置く必要がないと考えるようになってきました。
また、理想的にはサンゴは水槽立ち上げ時に一気に入れるべきなのでしょうが、現実はそうはいきません。
だからといって何度も高KHの状態と一般的なKHを8前後でキープする状態を行き来することも現実的ではありません(し、むしろ危険です)。
となると、stage-1は飛ばすのが良いのではないかと思い始めました。
しかし、まずはSTNぎみの個体の治療が必要そうです。
勿体ない話ではありますが、時には病気の個体を取り出す判断もありそうです。
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