前回は作りたいジオラマの構想を練り、ベニヤパネルにラフスケッチを描き、最後にスタイロフォームで地形の大まかな形を作ってみました。

 

今日はスタイロフォームに石膏や軽量セメントを塗って岩肌っぽくした後、全体の着色を行ってみることにしましょう。

 

石膏を使った岩肌の再現

材料について

使う素材はやや異なったとしても、どのような本を見ても岩肌の再現には石膏(プラスター)か軽量セメントを用います。

いずれも素材に対する食いつきがよく、作業時間(水を加えて練り始め、硬化するまでの時間)が適度であり、乾燥後は軽くなるためです。

 

紙粘土も用いられることがありますが、素材に対する食いつきが悪く、また作業時間も長くなる(乾くまで平均半日)、どちらかというと敬遠されがちです。しかし、非常になだらかな形状を作るのであれば紙粘土の方が良い場合もあります。

 

TOMIX(トミックス)、KATO(関水金属)のいずれも石膏を用いた製品を出しています。

 

しかし、入手製を考えれば、ホームセンターで販売されている石膏や軽量セメントで十分でしょう。

僕のところではこれを使いました。

石膏の塗布

石膏の塗布は刷毛(ハケ)を使って行いました。また、セメントや石膏はアルカリ性ですので、なるべくゴム手袋をして、手荒れが起きないようにするのが良いでしょう。

マスキングテープを使ったレールの保護

すでにレールを敷設している場合は、マスキングテープをレールに貼っておき、余分な石膏がレールにつかないようにして起きます。

石膏の塗布

石膏は余っても処分に困りますので、充分に塗っておきます。

柔らかくて作業しにくい場合には、少し時間が経つのを待つのが良いと思います。

また、段差などを埋めたい場合も、時間が経って少し硬くなった石膏を埋めるのが良いでしょう。

 

石膏は乾きが早い、という話をしましたが、1時間くらいは柔らかい状態で作業できますので、急いで作業する必要はありません。

全体の様子を見ながらバランスよく作業を進めてください。

全体の様子

海以外の全ての部分に石膏を塗りました。

 

線路脇も実際はボコボコしていますので、軽く石膏を塗ってそれっぽい情景を出しています。

また、海には薄いスタイロフォームを接着し、そこにも石膏を塗ることで島を表現して見ました。

岩肌の再現

より岩肌っぽくする方法はいろいろありますが、ここではアルミホイルを使っています。

 

ある程度石膏が固まったところで、シワにしたアルミホイルを石膏に押し付けることで凹凸を表現します。

石膏作業の終了

石膏作業が終了しました。乾燥に伴う収縮により、石膏が多少ひび割れていますが、この後の作業で隠すことができますので気にする必要はありません。

 

使う素材にもよりますが、夏だと3時間もあれば次の作業に移行することができるでしょう。

着色

ここでは、海と山肌に着色することにします。

それぞれ、別の種類の塗料を使って見ることにしました。

海の着色

今回、海の着色には水彩絵の具を使って見ました。お子さんがお使いの絵の具がそのまま使えます。

別の方法としては、アクリル絵の具を使って白波を立たせる方法もあるようですので、興味がある方は調べて見てください。

海の着色

水彩絵の具での着色ですが、少し濃いめに絵の具を解いて着色します。

色の変化ですが、この段階ではこれくらい大雑把で大丈夫です。あとで「海の素」を入れるときにいい具合にブレンドされますので、いろんな系統の青を、筆のあとが残る感じで塗って見てください。

深みの表現

また、海は青一色ではありません。緑がかったところ、黒いところとありますから、そのような色も積極的に使って見てください。

基本的に、浅いところは淡い色、深いところは濃い色を使います。

 

色の置き方はこれくらい適当で大丈夫です。

また、地面との境目には本物の砂を使った砂浜を作りますので、あまり神経質に色を入れなくとも大丈夫です。

着色の完成

こんな感じで着色は終了です。

山肌の着色

山肌の着色も基本的には同じように行います。

着色も水彩絵の具で十分ですが、今回は鉄道模型専門店のポポンデッタが出している下地の素材を使って見ることにしました。

下地用塗料

今回は岩肌ということで灰色を選びましたが、木の生い茂る山や平地なら茶色系など、目的に応じて使い分けると良いでしょう。

では、実際に山に塗って見ることにしましょう。

塗料の塗布

かなり粘性の高い液体ですから、石膏の割れ目までしっかりとしみこんでくれます。

山肌に石膏を塗ったときに使った刷毛を綺麗に洗っておけば、ここでも再利用することが可能です。

筆の使い分け

細かいところの作業には、やはり幅が細い筆が便利です。

 

ポポンデッタの塗料は水性ですから、絵の具を使うときの絵筆をそのまま利用しても大丈夫です。

アクセント付け

実際の山肌は灰色一色ではありませんので、下地用の塗料が乾いたら、その上から水彩絵の具(もしくはアクリル絵の具)でアクセントをつけます。

 

深緑、茶色、黒、白などをパレットに出し、わざとマーブル上に混ぜることで、様々な色を作っておきます。

ここではあまり深く考えずに、地面にしたいところは茶色系でぼかす、草が生えてて欲しいところは緑系でぼかす、というふうにやって見ましょう。

作業の完成

一通り色を塗って見ました。

 

特に海などはかなり荒い作りですが、海の素を入れるとこれがいい感じになりますので大丈夫です。



今日のまとめと明日の作業

今日は山肌を作り、全体的な着色作業を行って見ました。

 

明日は海をメインに作りこみます。

また、山肌に草を生やしてみたりしてみましょう。