今回は Sea Slug のPhosBallの使用経過についてレポートします。

PhosBall は Vertex の Pro BioPellets と同様、硝酸塩とリン酸塩の両方を分解・吸着してくれる(正確にはポリリン酸蓄積細菌PAOがリン酸塩を取り込む)製品ですが、PhosBall というくらいですので、ProBioPellets よりもリン酸塩の吸着に効果があるのかどうか期待して使っています。

ちなみに、取扱いは両者ともLSS研究所で、専用のリアクタも次々と発売されています。据え置き型に続いてフランジ取り付け型、さらにはインサンプバージョンもリリースするようです。
僕のところでは普通のリアクターを改造して使っています。

 

数値データ

左から経過日数、PO4濃度、Mg濃度です。
NO3(硝酸塩)ですが、立ち上げ当初5日目には0ppmを達成していますので特に追跡していません。
念のため週一回は検査しますが、0ppmを維持しています。
day PO4 Mg(ppm)
1:0.57 1240
2:0.60 –
4:0.58 –
5:0.46 –
6:0.49 1460
7:0.42 1240
8:0.48 –
9:0.40 1140
10:0.51 –
12:0.40 1280
14:0.50 –
PO4濃度の測定には、ハンナのリン酸チェッカーを使っています。

別記事でも書いていますが、この機材はプロ向けですが、低価格で安定した測定が望めます。
実はコスパも十分安いのです。この機会に買ってみてはいかがでしょうか。

HANNAリン酸チェッカーHI713の正しい使い方

Mg濃度の測定は、RedSeaの試薬を使っています。

 

また、PAOはリン酸を取り込むためにMgとK(マグネシウムとカリウム)を大量に消費するため、毎日ブライトウェルの添加剤を使って補っています。

毎日の添加量

毎日の添加量としては、マグネシオンが15ml、ポタシオン(カリウム)が5mlです。
現在のところ、目に見えてリン酸が減っているという感じではありません。

ハンナのチェッカーはデジタル式ですが、計測方法は特定波長の紫外線の吸収量で測定していますので、計測時の試薬ビンの汚れ具合などに左右されます。
なるべくばらつきがないように、ビンの中はRO水ですすいだ後、アルコールを使って残留物のふき取りを行い、乾燥後さらに海水で2回すすいでから使っています。

硝酸塩への効果については間違いなく効果があります。
しかし、リン酸塩についてはまだ十分ではありません。

PhosBallにバクテリアが付着した関係で流動性が低くなっているようなので、今日メディアを半分程度に減らしてみました。
減らす前はメディアがうねうねと、それこそ流動という感じで動いていましたが、半減後はメディア同士がぶつかる音が聞こえるくらい水中に舞っています。

メディアを半減したことによる反硝化作用の低下が心配なので、明日からはしばらく硝酸塩も計測してみたいと思います。