HANNAのリン酸チェッカーHI713は手軽にリン酸塩をチェックできる機材として有名ですが、その正しい使い方を把握している方は意外と少ないようです。
いくつか製品レビューも見ましたが、正しく測定できなかった原因が、実は使い方の間違いという事例が散見されます。

今日は、正しいリン酸チェッカーの使い方についてコメントします。

プロモデルだが、ホビーユースとしてお手軽なH713リン酸塩チェッカー

このブログでも時折触れていますが、リン酸の測定にはHANNA Instrumentsのリン酸チェッカー HI713 を使っています。

 

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このチェッカーはデジタル測定式なので、誰が測定しても基本的に同じ結果が出るようになっています。

HANNAというメーカはアメリカにある測定機器メーカで、主に研究・物流管理用の計測器を開発・販売していますが、アクアリウム用として利用可能な計測器も販売しています。

 

日本にも支社があり、PDFカタログもあります。

 

HI713もその一つです。

 

HI713の市場流通価格は約8000円程度ですが、通常の試薬が同程度の価格であること、またHI713を使うときに必要になる試薬は1回あたり10円程度ということを考えると、1年単位で考えると非常にお得で便利な機器といえます。

 

また、購入もチャームのようなオンラインショップや多くのショップで購入できるので、ぜひ揃えておきたい機材の一つです。

チャームの販売価格は楽天の相場と比較するとちょっと高めですが、他のショップが取り寄せ(5日〜1ヶ月)なのに対して即納ですので、すぐに購入したい方にはオススメです。

ついでに試薬も購入しておくと良いですよ。
本体には約3回分の試薬しか入っていませんので、25回分の試薬をあわせ買いしておくと良いと思います。

HI713の使い方に対する誤解

 

ところで、このHI713に関するレビューを読んでいると、時々間違った利用方法に基づくレビューが見受けられます。

 

その多くが、「キャリブレーション後、試験管に試薬を入れて溶かしている間に本体の電源が自動的に切れてしまう」というものです。

 

またそのため、「キャリブレーション用の試験管と試薬を入れた試験管の二つを用意し、途中で入れ替えている」という誤った操作も見受けられます。

 

実はこれ、正しい、というか実用上問題のない使い方が正しく伝わっていれば起きるはずのない問題なので、今日は正しい使い方についてご紹介したいと思います。

 

ちなみに、この利用法は実際にHANNA Instrumentsに問い合わせたものです。

測定手順

試験管の洗浄

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まず最初に、測定する海水で試験管をすすぎ洗浄します

 

測定する液体で試験管をすすぐことは、すべての測定において基本となりますので、ほかの試薬においても同様のことを行うとよいと思います。

 

試験水(海水)の注入

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次に、試験管に海水を10ml注入します。

 

このとき、シリンジ(注射器)の目盛りで10mlを測定するのではなく、試験管に刻まれた目盛りで10ml注ぎます。

 

また、注いだ海水は表面張力の影響で端っこが盛り上がった状態になりますが、基本として一番低い部分が10mlの線に揃うように注ぎます

 

海水を注ぎ、キャップをした後は乾燥した綺麗な布で試験管を拭っておきます。

 

HI713は、試験管に入った液体に特定の波長の光を通し、その透過率を測定することでリン酸塩の測定を行います。したがって、試験管を綺麗にしておくことで測定のエラーを防止します。

 

 

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試薬は測定する前に開封しておきます。

 

試薬のロットによって開封方法(切り取り線)が異なりますが、僕が使っているロットは二辺を切り取るようになっています。

 

本体の電源投入とキャリブレーション

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ここまで準備できたら、HI713の電源を入れます。

 

このときにはまだ本体に試験管は入れません

 

試薬を入れてない試験管の挿入

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本体の液晶画面に「C1」と表示されたら、試験管を本体に入れボタンを押します。

 

この状態でキャリブレーションが行われます。

 

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本体の表示が「C2」になったら、蓋を開けて試験管を取り出します。

 

試薬の混合

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試験管をとりだしたらキャップを開けて、試薬を試験管に入れます。
このとき試薬をこぼさないように気をつけて下さい。

 

 

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試薬をすべて入れたら再度キャップを閉め、試験管を数回振ります。

 

よく発生するトラブルは、「すべての試薬が完全に溶けるまで試験管を振っていたら、HI713の電源が自動的に切れてしまった」というものです。

 

しかし、HI713の設計として「すべての試薬が溶けきらない状態で測定を開始しても問題ないように設計されている」ので、試験管を軽く振り、乾燥した綺麗な布で試験管を拭ったらそのまま試験管をHI713に戻します。

 

HI713では、測定時間が3分間になっていますが、その時間には試薬を溶かすための時間が含まれています。
したがって、すべて溶かす必要がないのです。

 

試験管の再挿入と測定

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試験管を入れ、ボタンを長押しすると測定が始まります。

 

三分間のカウントダウンののち、写真のような表示に切り替わり測定結果が表示されます。

 

 

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測定結果です。

 

今回は0.00ppmでした。

 

しかし、測定誤差があるので全くのゼロというわけではありません。

 

HANNAからはHR(ハイレンジ)のリン酸塩チェッカーが出ていますので、より低濃度の測定を行いたい方はそちらの購入を検討されるとよろしいかと思います。

 

試験終了後の試験管

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ちなみに、測定終了後の試験管です。

 

わずかに試薬が残っていますが、これで問題がありません。

 

また、リン酸塩が測定される場合には海水の色が水色になります。

 

もし少し色が付いているようだけども測定結果が低すぎると感じる場合には再度測定されるとよいかもしれません。

今日のSPS。

今日からちゃんと三脚を使って撮影します。

いままではシャッタースピードが速くて個体全体が綺麗に写りませんでしたが、F値も大きくとって露光時間を1から1.5秒くらいにすることで、個体全体にピントが合うようにしてみました。

 

ビーボックスで買ったフィジーのユビ。

 

ビーボックスのフィジー産SPS。

 

個体同定しなければ。

 

少しポリプが伸びてきました。

 

アクアギフトのオージースギ。

 

アクアギフトにあった時と同じ程度までポリプが開きました。
全開状態です。

 

ベッセルのショウガ。

 

これも先週あたりから状態がよくなっています。

 

ビーボックスのフィジー産SPS。

 

ベッセルのコモン。

 

うちではT5のみで育ててます。

 

LEDを当てるともっと蛍光発色が強くなりますが、当分はT5のみで様子を見たいとおもいます。

 

アクアギフトのオージー産ハナガサ系。
これもポリプが出てきました。

 

一安心。

 

同じくアクアギフトのオージー産SPS。

ハイマツですかね。

 

オージーのハイマツはほかの産地に比べると莢の部分が大きいように感じます。

 

アクアギフトにあった時にはもうちょっと赤かったような。
硝酸塩の値に注意しながら添加剤を考えてみたいとおもいます。