海水魚の水合わせの重要性はいろんなところで説かれていますが、サンゴの水合わせの重要性はどうなのでしょうか。

今日はそのことについて、KHの変化という視点から少し検討してみたいと思います。

サンゴが耐えることができるKHの変化

気になる記述をレッドシーリーフケアプログラム(RCP)の「リーフファウンデーション」の説明書に見つけました。

6ページの記述をみるとこうあります。

サンゴへのストレスを避けるため、各元素の一日の最大増加量を次の通り守ってください。カルシウム20ppm、アルカリ度0.5meq(1.4dKH)、マグネシウム10ppm。これより大きな調整が必要な場合は一日の最大量を守りながら2から3日に分けて行ってください。

 

例えばミドリイシについては8dKH(一般的な人工海水のdKH)で管理している店も多いと思いますが、RCPのSPS成長促進状態での推奨値は12.6gKHです。
そうするとその差は1.4dKHを超え、3倍近くになってしまいます。

 

前々から感じていたことがあるのですが、ショップでは元気なミドリイシも、自宅に持ち帰って温度合わせを行い、それから水槽に入れたとしても、多少の白化や調子が思わしくない時がありました。

 

また、上の記述を守らず1.4dKHの数倍に相当する添加剤(この場合リーフファウンデーションB)を添加すると次の日にRTNらしき兆候を見せるミドリイシもありました。

最初は何らかの問題かと思っていましたが、もしかしたらここの記述にあるようなKHの急変によるサンゴへのストレスかもしれません。
印象としては、ハナガサ系、デサルウィ系などがすねる傾向にあるようです。例えばハナガサ系のサンゴであれば触手が萎縮したり、共肉が剥げるようなことが起きますし、深場ミドリイシのデサルウィだとやはり共肉の剥がれ(RTN)が起きることがあります。
しかし、だからと言って水合わせに3日もかけるわけにもゆきません。

 

そうなると、最初はある程度ミドリイシがそろうまでKHを8程度に抑えた後、徐々に12まで上げて成長を促進し色揚げを行い、もし次のミドリイシを追加したいのであれば再び7程度まで落ちるのを待ち(これはカルシウムなどが消費されるのを待てば自然に下がると思います)、それから追加するのが安全だと思います。

 

逆に言えば、ミドリイシやSPS類を購入するお店が固定であれば、そのお店の水質に揃えておけばトラブルも少ないということになるでしょう。

 

もしRCPを実施されている方で、KHが12の水槽に次々とミドリイシを追加されている方がいれば、ぜひその方のお話を聞いてみたいところです。