ミドリイシの白化現象ですが、その後の調べで「ブラウンジェリー」ではないかという結論に達しました。
ミドリイシの病気として「RTN(Rapid Tissue Necrosis, 直訳すると『急速な細胞の壊死』)」というのもありますが、RTNは共肉がパラパラと剥げてゆくにに対して、ブラウンジェリーは共肉の壊死部分がゼリー状にになるという違いがあるそうです。さらに、ブラウンジェリーは困ったことに、褐中藻を持つすべてのサンゴに感染する可能性があるということです。身近な体験だと、コエダナガレハナサンゴがブラウンジェリーにかかったことがあります。
いずれの感染症も決定的な対処方法はありませんが、唯一試みられているのは「ヨウ素を用いた治療」です。
名前を具体的に思い出せないのですが、ヨウ素化合物を使った治療剤というのもあります。しかし、それを買いに行く時間が無かったので、手元にあるヨウ素化合物を使うことにしました。
手元にあるのは、マーフィードが代理店をやっているブライトウェルの「アイデオン」か、うがい薬の「ポンピヨード」の二つです。ブライトウェルのアイデオンも評判は高いのですが、ヨウ化カリウムやヨウ化化合物の溶液ですので、ちょっと効き目に心配があります。
一方、ポンピヨードは100ml中1gのヨウ素が配合されていますので、こちら方が効き目が高そうです。
ということで、今回はポンピヨードを使ってみることにしました。
従来もポンピヨードを使った薬浴はよく使われていましたが、それと今回と違う点は「原液を直接患部に塗る」という点です。
具体的には、1mlのシリンジ(注射器)にポンピヨードを吸い込み、共肉が溶けかかっている部分に吹きかけます。このとき、生きている共肉部分にもためらうことなく噴霧します。中途半端にやると飛び火した部分を見逃してしまいます。当然、生きているポリプもヨウ素で死んでしまいますが、ブラウンジェリーが進行するよりはマシです。
ポンピヨードは色素としての沈着力も強いので、一回吹きかけた部分はしばらく紫色に染まっています。枝の間など、怪しい部分には万遍なく吹きかけ、途中海水(当然、新しい海水)につけつつ何度も吹きつけます。
白化した部分でも、共肉がわずかにでも残っていれば、そこにも吹きかけます。
目立ったところが紫色になれば十分だと思います。
薬用のヨウ素だと、10秒程度で効果が現れるということなので、最後は新鮮な海水で何度もすすぎ、できる限りヨウ素を洗い流します。ただ、水槽に入れればそれなりに希釈されるので、あまり神経質になる必要はないと思います。
1時間ほどまえ水槽に戻してみましたが、現時点では何もいえません。
明日の夜ブラウンジェリーが再発していなければ、とりあえずは対策が取れたといえるかと思います。
あとは、残った部分がどの程度再生してくれるかというところでしょうか。