マリンケアプログラム(MCP)では、コーラリングロを用いたKHの維持も必須になるのですが、今回の水槽でもMCPの実施中、KHの維持を行いました。
ただし、MCPで推奨している8.4dKHではなく、10.5dKH付近とやや高めのKHです。
積極的な理由はないのですが、理由があるとすれば「初日に使った人工海水のKHが12を超えていたため、8.4まで落とすのが難しかった」からと言うことになります。
コーラリングロには「ライブロック活力剤」と書いてありますが、その名の通りライブロックに石灰藻を乗せる役割もあります(本来の役割は緩衝剤です)。
では、定点観測で石灰藻の増え方を見てみることにします。
条件ですが、
水槽:幅90センチ奥行き45センチ高さ45センチ(システム全体としての水量は430リットル)
KH:10.5dKH前後
pH:8.4前後
塩分濃度36ppt前後
照明:ATI Sunpower dimm 39w 6灯
です。
この条件下で立ち上げ14日目に観察されたライブロックがこんな感じ。
MCP14日目
始めは石灰藻すら乗っていなかったライブロックですが、茶ゴケとともに石灰藻の斑点がちらほら見られます。
で、23日目、つまり9日経過後のライブロックはこんな感じ。
ライブロック20140930その1
わかりにくいかもしれませんが、赤い斑点の数は明らかに増えています。
また、別の部分を見るとこのようにかなり石灰藻が乗っている部分もみられました。
ライブロック20140930その2
この部分は写真を撮っていなかったため、客観的に判断することは難しいですが、今後は定点観測の場所として使いたいと思います。
さて、石灰藻を殖やすためにはコーラリングロ(や、ブライトウェルのポタシオンなど)を使うことになりますが、これだけでは石灰藻は増えません。
増やすための条件は二つ。
一つ目は、石灰藻のタネとなるライブロックが水槽に入っていること。石灰藻が全く乗っていないライブロックだけでは、いくら頑張っても石灰藻を殖やすことはほぼ無理だと思われます。石灰藻と言う言葉には、「藻」という漢字が使われているとおり、石灰藻も藻の仲間ですので、繁殖させるためのタネが必要になります。
もう一つは繁殖を妨げるもの、つまり茶ゴケや赤ゴケを掃除してくれる生物兵器が必要ということです。茶ゴケなど、他のコケが生えている部分に石灰藻は生えません。
今回、生物兵器としてタカラガイの仲間(キイロタカラガイとハナビラタカラガイ)を使いましたが、これらは予想以上に働いてくれているようです。ただし、水槽1つに30匹弱入れています。
近年、石灰藻が充分に乗ったライブロックを入手することが難しくなってきました。
その一方、条件さえ整えば石灰藻を殖やすことは不可能ではありません。
このブログでも、定期的に石灰藻の様子について記載していきたいと思います。