奥さんの水槽でウーデニウム菌が大量繁殖した「らしい」事件の対策として、1か月間の水槽放置(ただし、足し水やバイオペレットなどを用いた水質調整は行う)をすると決めましたが、実は同時に「ヨウ素殺菌ドーム」を使った病原菌の駆除についても試験を行っていたところです。

この商品の特徴は、(おそらく)ヨウ素が混ぜ込まれたプラスチック状のペレットが1mm程度に切り刻まれているので、それを50リットルに30粒という具合に専用のケースに入れてサンプなどに投げ込んでおくという手軽さです。

小さな動物園-ヨウ素殺菌ドーム

パッケージとドームです。

小さな動物園-ドーム

ドームを拡大するとこんな感じです。
大人の親指程度の大きさです。

小さな動物園-中身

ペレットはこんな感じです。

ペレットは明らかに目分量で切り刻まれているようにしか思えません(笑)

さて、規定量は50リットルにつき30粒ということなので、100リットルちょっとある妻の60センチオーバーフローだと60粒が適度だということになります。

しかし、今回は殺菌目的だということ、また通常の海水には0.06ppmのヨウ素が含まれていますが、一説には0.15ppm程度までは大丈夫ということもあって、90粒ペレットを入れてみました。
ペレットを入れた翌日、RedSeaのアイオディンテストキットを使って水槽内のヨウ素濃度を測ってみます。

計測結果は0.09ppm以上。

このテストキットでは0.09ppm以上は測れないのでどの程度までヨウ素濃度が上がっているのかわかりませんが、コバルトスズメ、デバスズメなどの魚類、エビやシッタカなどの無脊椎類、サンゴ類には全く影響は出ていないようです。
製品のうたい文句としては「数日するとヨウ素の放出がとまります」とあります。

詳しくは後半で書きますが、水中に放出されるヨウ素の濃度はだんだんと低下し、いずれ検出濃度は0ppmになるということになります(健全な環境を保つには0.06ppm程度のヨウ素濃度が必要ですが)。

さて、この製品がヨウ素を放出する仕組みについては、メーカのWebページに次のようなくだりがあります。
「菌が通るときだけヨウ素を出して死滅させるので、ろ材の中を菌が通らなければろ材は消耗いたしません。」

別の説明では
「菌はプラスに帯電しているので、ヨウ素の近くを通るときにはマイナスに帯電しているヨウ素が放出される」
ともあります。ヨウ素は単体安定な物質なので、菌が近くを通るだけで分解するのかは疑問ですが...
それはさておき、これが正しいのであれば、「海水中のヨウ素濃度が高い=菌が存在している可能性が高い」ということになります。

もちろん、ヨウ素によって菌が殺菌され、ヨウ素も半減期、言い換えれば水中でヨウ素として存在できるのは7日程度ですから、じきにヨウ素濃度も減るはずですが、ほぼ毎日チェックしているにも関わらず濃度の変化は見られません。
病原菌は減っているのでしょうか。

ヨウ素がまだ検出されることは、本当に「ウィルスがまだ残っている」ことを示しているのか、それとも「ウィルスに関係なくヨウ素は海水に溶けるのか」という問題をきちんと調べないことには答えが出せない感じです。
ただし、「ヨウ素は難水溶性で、ヨウ化カリウムに溶けやすい」とあります。

なので、カリウムが含まれ、かつヨウ化カリウムが含まれている海水なら無条件に溶け出す可能性も考えられます。
水質検査のように簡単に調べられれば良いのですが、これらのウィルス(菌)についてはそう簡単には行きません。我慢と経験が頼りになりそうです。