さっき何気なくサンゴ水槽を眺めていたら、ミドリイシが一個白化しかけているのに気づきました。
こうなったら躊躇なくそのミドリイシを水槽から出し、対応を取る必要があります。

本来はなんらかの病気に罹った可能性があるので、勇気を持って処分するのが良いのですが、元気な部分だけ枝打ちすることも可能です。

突然の白化

昨日まで全く白化の様子もなく、過去に他のミドリイシが白化したときも何ともなっていない、丈夫な個体でした。
小さな動物園-8月の状態

これが昨年8月時点での状態。
薄いクリーム色の小さい個体でした。
それがT5蛍光灯の効果もあって緑色に揚がり、また枝もすくすく育ったのに白化したのがこれ。
小さな動物園-1月の状態
状態を見るとRTNのような現象(パンストが火にあぶられているように共肉が剥げている)ですが、おそらくストレスの問題だと思います。

ストレスの要因は?

考えられるストレスは2つ。
1つは昨晩ふとしたことからレイアウトか崩れ、このミドリイシを含むいくつかのミドリイシを一時的に他の場所に移動した状態でレイアウトしたことの要因。

もう一つはRedSeaのRCPプログラムで使っているリーフファンデーションB(KH)の添加量が不適切だったという要因。

リーフファウンデーションBはアルカリ度を調整することが可能で、多く点滴することによって骨格の成長促進が可能ですが、1日の規定量をこえて投与するとRTNの原因となります。

どちらが原因だかわかりませんが、お気に入りだったのでとにかく元気な枝が残っているうちにパディング(枝打ち)して子孫を残しておく必要がありいます。

枝打ち

そんなときに役立つのが、ボストンアクアファームズ(Boston Aqua Farms)の Stony Coral Propergation Starter Kit。

中にはセラミック製の土台が二種類、専用ニッパ(さびにくいように焼きいれてあります)、瞬間接着剤、接着を促進する薬液が入っています。

このキットはアメリカから直輸入して購入しましたが、土台だけならチャームでも取り扱っています。

接着剤は、瞬間接着剤で代用できます。その時に、ゲル状のものを使うと上手く接着することができます。

机の上に作業用のタオルを広げて、キットの中から必要なものを取り出したら、パディング(枝打ち)するミドリイシを取り出してきて手早く必要な枝を切り取ります。
このとき、「まだ共肉が残っているから」と、溶けかかっている部分との境目で切らず、もっと先端方向で切るということです。RTNも関係しているのであれば、元気に見える部分もすでに病気になっている可能性があります。
小さな動物園-パディング中

パディングが終わったら土台への接着。

この時はいろんなことを並行してやっていたので忘れていましたが、実際は水槽水をボールみたいなものに入れ、その中に切り取った枝を入れておくべきです。影響が残らなければいいですが...
接着剤は瞬間接着剤ですが、ジェル状の物なので速乾性がありません。
そこで、乾燥を早める薬液を接合部に吹き付けます。
また、「RTNの進行を止めるには瞬間接着剤で防火壁を作るのが良い」という話もあるので、根本には十分な量の接着剤を塗りました。
小さな動物園-終了

こんな感じで終了です。

水槽に戻しますが、以前のようなボリューム感はありません。
元気に育つことを祈るのみです。