水槽に発生するシアノバクテリア(藍藻、いわゆる赤ゴケ)に困っている人は多いと思います。
以前、60センチ規格水槽+蛍光灯やクラマタ産業ガラッシア、それに90センチオーバーフローでのガラッシア2連装ではシアノバクテリアに悩まされたことはないのですが、ライトをMAXSPECTのMAX-Sに変更してからはシアノバクテリアが良く発生するようになりました。
発生原因が紫外線(UV)の有無か、というと蛍光灯にはUVが含まれますし、栄養塩の問題かといっても、確かに超貧栄養塩(ULNS)状態であれば栄養塩をエネルギーとする藻類は発生しませんが、これまでの環境いずれをとっても非常に生えやすい状態だと言えます。
そもそも、シアノバクテリアの発生要因がまだ充分に解明しておらず、真相は謎に包まれたままというのが現状のようです。ただし、それまで毒物であった酸素をエネルギー源として利用することができる細胞という観点からシアノバクテリアをみると、我々の祖先であることには間違いなさそうです。
さて、シアノバクテリア退治のための薬品は色々と販売されています。
僕もいくつか試してみましたが、いずれも充分な成果を出すどころか、安全とは書かれていても結果としてソフトコーラル類を溶かしてしまう物まで存在します。
ちょっと自慢できるコルトコーラルを一つ持っていましたが、完全に溶けてしまいました。
そのとき以降、シアノバクテリアはこつこつと取り除くしか無いものと半ばあきらめていましたが、ZEOvitの添加剤を2つ使うことでシアノバクテリアを取り除くことができることがわかりました(もちろん、ZEOvitのガイドやフォーラムにもこのことは記述されています)。
添加を開始してすぐに結果が出るわけではありませんが、10日ほど試してみると水の表面にある物が浮かんでいることに気付くと思います。それは、ライブロックやガラス面から剥がれ落ちたシアノバクテリアです。
小さな動物園-シアノバクテリア
水槽の上から写真を撮っても見づらいので、側面から水面を見上げるようにして撮影してみました。小さい固まりが水面にいくつも漂っているのがわかるかと思いますが、これらはすべてシアノバクテリア(の死骸?)です。僕はこれらをひしゃくですくって取り除いています。
具体的な方法としては
1)Korallen Zucht(KZ)のZEOvakとCoral Snowを用意する。
2)水200リットルにつきZEObak1滴、Coral Snow 4mlを混合し、5分ほど放置する
3)流れの強いところ(フロー管や水流ポンプ付近)に混合液を添加する
4)この作業を週に3回行うと、10日ほどで効果が出てきます。
いままでで試したどの除去剤よりも確実に、しかも影響を与えることなくシアノバクテリアを除去することができました。
問題があるとすれば、価格と入手性でしょう。
ZEObakが10mlで実勢価格3,480円、Coral Snowが250mlで5,580円です。両者合わせると9,000円近くになり、一般的な赤ゴケ退治薬と比較すると4倍の価格になります。
また、KZの商品は正規代理店を通したルートでしか購入できませんが、国内ではまだ取り扱っている店が少ないのが実情です。
価格を取るか、安全性を取るか。
他の退治薬で問題になった現象が他の水槽で必ずしも起きるとは限りません。
場合によっては何の問題もなく取り去ることが可能かもしれません。
最終的な判断は皆さん次第ですが、シアノバクテリア退治で安全に行えた例として、皆さんにご紹介します。