インドネシアのサイテス 問題に絡んで、良質のライブロックの入手も難しくなってきました。
当然のことながら、国内で流通するライブロックの価格も上昇し、この4ヶ月くらいで3割近く価格が上昇しました。
また、形状も自然なものから(何が自然なのか、は定義が難しいですけど)、形がいびつで不自然なものが増え、また大きさの割に多孔質で軽いものより、本当に単なる塊だけといった、質が悪いものがふえてきました。
もっとも、最近はライブロックを使わないでレイアウトしたり、デスロック(ライブロックが完全に枯れたもの)を使っているケースも見当たりますから、必ずしもライブロックも使う必要性は見当たりません。
しかし、レイアウトを組む関係上ライブロックはどうしても必要です。
FRPによる人工ライブロック(アーティフィシャルライブロック)もありますが、価格がそれなりにしますし、先に述べた事情が原因でしょうか、人気も向上し入手が困難です。
しかも、そこそこ見栄えのあるレイアウトを組むとなると、ライブロックだけで4万円近い出費が必要です。
ということで、我が家ではしばらく検討を重ねた上、過去の水槽設置で使い古したデスロックをレイアウトの一部に使うことに決めたのでありました。
人工ライブロック
まずは、人工ライブロックの話をしておきたいと思います。
ひとくちに人工ライブロックと言っても、その製造方法はいくつかに分かれています。
FRPを用いてライブロック風に造形し着色したもの、アクが出ないセメントを使ってライブロック風にデザインしたもの、そのセメントを使ったライブロックを一定期間海に沈め、実際に微生物や石灰藻を乗せたものなど様々です。
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これは、ATSのライブロックモジュールで、FRPに着色して作られています。
海外の製品だけあって、一個のモジュールはそこそこ大きく、上記のAモジュールであればこれ一個で45センチ水槽が埋まってしまうほどです。
我が家でも試しに一個使ってみています。
左がATSのライブロック、右が樹状のデスロックです。
一見立体感はありそうで良いのですが、違う角度から見ると意外に扁平で、立体感に欠けるのが欠点でしょうか。
逆に、FRPでできていますから、ドリルで直径10ミリの穴をガンガン空けておくと、いま流行のサンゴのフラグ(プラグ)を挿すこともできます。
また、FRPの利点としては、微生物を含む有害なものを一切含んでいないので、水槽の立ち上げにおいて病原菌になるものがない、という利点もあるでしょう。
セメントでできたライブロックを一定期間海に沈めてライブロック化させるものとしては、C.P.ファームの養殖ライブロックが有名でしょうか。
こちらは実際には使ったことはありませんが、実際に一定期間天然海水に浸かっていますから、良くも悪くも自然の海の成分を含んでいると言えるでしょう。
グングン伸びるリン酸の値
さて、我が家ではほぼ毎日水質検査を行っているのですが、リン酸塩の検査だけは試薬の関係などで週に一回程度に抑えています。
まぁ、アンモニアや硝酸塩と違い、多少増えたからといってサンゴに急激に影響を与えるわけではありませんから、週一回程度の計測でも十分と判断しているわけです。
ちなみに、リン酸塩の計測だけは昔からデジタル計測器を使って来ました。
これは、RCPの色を比べるタイプの試薬では、リン酸の濃度を推測するのが難しく(色の変化が微妙で判定が難しい)、正確に測れないためです。
HANNAというメーカが作っていますが、普通の精度と高精度(ULR)の二つがあります。
うちではULRをつかっていますが、別にどちらでも良いと思います。
値段はほとんど変わらなかったと思います。
計測器そのものは1万円くらいしますけど、試薬は1回分100円未満ですから、液体の試薬と比較するとコスパはのちに良くなることは目に見えてます。
それでいて正確なのですから、当然こちらを選ぶでしょう。
さて、水槽を立ち上げて初期の、本当に何も入っていない時のリンの値は16ppbでした。リン酸塩換算だと0.05ppmです。まぁ、かなり優秀です。
その後、デスロックを入れた直後の計測で32ppb(0.1ppm)。
これもまだ許せる範囲です。
しかし、ふと気になって毎日計測してみると、1日10ppb単位(0.4ppm程度)で増えてゆくではありませんか。
しかも水槽面の茶ゴケも毎日うっすらと付着するし…
この記事を書いているまさにこの瞬間で、135ppb(0.41ppm)です。
ここまでくるとちょっと放置することはできません。
そうなると、リン酸塩を除去するしかありませんが、方法は主に5つに限られてしまいます。
一つは吸着剤を使う方法、2つ目はリン酸除去剤を使う方法、3つ目はバイオペレットを使う方法、4つ目は現在のRCPをコツコツと続ける方法、そして地道に換水を行う方法です。
Liquid Phosphate Remover
コーラルタウンの店長さんに相談したりした上で最終的に下した決断は、リン酸除去剤を使う方法です。
例によって、夜中にチャームのサイトでポチっとやって、その日の夕食がすんだ時には無事に到着しました。
リン酸除去剤だけだとわずかに送料無料に届かないので、消耗品なども一緒に購入しておきました。
リン酸の試薬も補充してバッチリです。
25回分買ったので、3週間は計測できます。
それはさておき、リン酸除去剤の紹介を。
これは、飼育水30リットルに対して1目盛(0.25ml)滴下すると、約1ppmのリン酸塩を除去できるという製品です。
うちの水槽は300リットルありますから、1目盛滴下すると単純計算で0.1ppmのリン酸塩が除去できるはずです。
除去にはスキマーが必要です。
うちのスキマーはH&SのHS-850ですが、まだまだ現役ですのでガンガン濾し取ってくれることでしょう。
コレクションカップ綺麗に洗っておきました。
試薬ですがまずは1目盛から試してみたいと思います。
もちろん、デスロックからのリン放出もありますからしばらくは適度な頃合いを見定める必要があるでしょうが、頑張って見たいと思います。