うちの水槽で三か月半飼われているサザナミヤッコです。
撮影したのが夜で照明もくらいのでわかりにくいですが、成魚カラ―になりかけています。
写真で見るとヒレがややくすんでいるような感じもしますが、体表は傷の一つもなく、鱗というか細かい産毛のようなものがびっしりと並んでいるのが見られます。
一転、こちらはサンゴ水槽のミドリイシ。
何点かあるのですが、今日はクシハダミドリイシのご登場。
見事なまでのテーブル(コリンボース)型。
エンタクミドリイシとは違う美しさを感じます。
背後にはサンカクミドリイシやウスエダ、スギ系もぼんやりと。
これだけをみれば非常に順調な水槽に見えますが、この水槽(900+450+900)水槽は、おそらくウーデニウムに侵されてしまったようです。
事の発端はミヤコテングハギの突然死。
体長20センチはありそうなミヤコテングハギが、ある日突然死んでしまいました。
ハギなので鱗がありませんが、体表には全く傷がありませんでした。
尾びれのスレッドも全く傷がなく、先端まできれいな状態でした。
それからトゲチョウ(沖縄)、チョウハン、シチセンチョウ、ウズマキ、アデヤッコ、セジロクマノミ、スレッドフィンアンティアス、キンセンイシモチなどが次々とダメになって行きました。
トゲチョウは、前日はやや白点気味だったものの食欲等に問題はなく、普通に泳いていました。
しかし、夜帰ってくると姿はなく、捜索のためライブロックを静かに動かしていると、体が血まみれの状態で見つかりました。
ヤッコ類でよく見られるのですが、前日までは何ともなくとも、ある時突然ライブロックの隙間などに体をこすりつけて死んでしまうことがあるようです。
ウスマキやアデヤッコは途中白点にかかるともありましたが、事前に体力強化をしていましたし、エサ食いも良かったので乗り越えることができました。
しかし、トリコディナにかかったと思われたあたりからは尽くす手がありません。
ウズマキもアデヤッコも、普段はザル(うちでは魚を捕まえるときには100均のザルで魚を捕まえます)で追いかけて捕まえます。
しかし、朝は元気だった両者も夕方はなんだか変で、なんと素手で捕まえることができるほどまで弱っていました。
白点の場合は本当に死ぬ直前まで素手では捕まえられないのですが、アデヤッコもウズマキもちょっと見た目は普通に泳いでいますが、明らかに反応が鈍く、真上から静かに手を伸ばすとほとんど逃げることなくつかまります。
体色は褪せ気味で、ヒレに欠損が見られます。
粉が吹いたような状態ではありませんが、いままで経験者から聞いた話を総合すると、トリコディナとしか考えられません。
決定的なのは、キンセンイシモチのような魚までもが突然死していたということです。
これを見た時には、覚悟を決めました。
唯一気になるのは、12月に震度5の余震が起きた時にかなり砂底が荒らされて白点菌などが舞い上がった可能性はあり、たしかにそのあとは白点病のオンパレードだったのですが、トリコディナについては思い当たるフシがありません。
しかも、いままでどれだけ魚を入れたところでトリコディナにかかったことがないので、どのように対処すればよいのか疑問だらけだということです。
水質については、窒素態酸化物(アンモニアイオン、亜硝酸塩、硝酸塩)は全くありませんし、海水のにおいや透明度も問題ありません。
トリコディナ菌は常在菌、つまり海水に常にいる菌なので、完全に撲滅はできません。白点菌(正確には虫)と同じです。
全換水、という人もいますが、僕はそれには懐疑的です。
トリコディナ菌の増殖スピードは、白点菌のそれの3倍と言われているようです。つまり、トリコディナ菌は3時間で2倍に増えるということです。
それに対して濾過バクテリアであるシュードモナスやニトロソモナスの繁殖スピードは二倍になるまで24時間から48時間かかりますから、よほど小型の水槽で、大量の海水を準備できない限りは火に油を注ぐようなものだと思います。
一つの例がRTNで、こちらはサンゴの病気ですが、これも全換水しても効果には疑問があります。
実際経験がありますが、鎮静化を待つしかなさそうです。
いずれにせよ、いまからしばらくは何もできない状態ですから、時間をかけて考察と対策を練るしかありません。
ウーデニウム?
- 公開日:
- (1902 view)