きょう、とある情報源からしったのですが、海水魚をはじめとするいわゆる熱帯魚系、水草、シュリンプ、それに最近はレプタイルズや猛禽類で有名だったB-BOXアクアリウム(埼玉県八潮市)が1月15日付で経営破綻していたとのことです。
年末ごろは近所を通るたびに店内をのぞいてみてたのですが、一時期に比べて品揃えもよくなく、また店員さんの数も少なくなっていたのでなんとなく異変を感じていたのですが、松戸店の閉鎖に続き本店の閉鎖(実際は経営破綻)していたということに、一つの歴史が閉じた、そういう思いを感じたのでありました。
倒産情報
いずれにせよ、こういう情報はまず明確なソースを挙げる必要があります。
それには、破産手続きにかんする告知を調べるのが一番です。
ここではJCネットの情報から引用することにします。
これを見ると、たしかに1月15日付で破産手続きが開始されていることになっています。
破産管財人となる山越悟弁護士はこちらのページでも紹介されていますが、破産処理に関しては経験も豊富な弁護士と見受けられます。
ただ、一部の噂では賃金未払いのほか、従業員(パート含む)の一斉辞職(解雇ではない)騒動もあったようで、今後B-BOXとして再起動できるのかどうかは甚だ疑問です。
B-BOXアクアリウムといえば
僕がB-BOXをしったのはかれこれ10年前くらいですから、ちょうど「ファインディング・ニモ」でいままで見向きもされなかったナンヨウハギやキイロハギに高値が付き、観賞魚ブームが巻き起こった時代とほぼ重なります。
その当時のB-BOXアクアリウムは毎週のように無料の水質検査会を開催し、ユーザが持つ水槽(タンク)の現状に沿った問題解決法をデータを用いて(エビデンスベースで)提案してくれるという非常に貴重な存在でした。
もちろん、その当時はRedSea RCPやZEOVitも無く、あったのはAZ-NO3という30日添加を続けると硝酸塩がなくなるという魔法のような薬品の存在くらいでした。
また、特にSPSの飼育についてはまだノウハウも確立されておらず、メタハラを用いた強い光源が当然の時代で、今のようなLEDを用いたUV中心の照明は夢物語の時代でした。
その後、経営が順調に進んだのか、松戸店を東松戸にオープンし、両者で異なる仕入先を模索したり、商品が異なっていたりと両者をはしごする楽しみがあった時期もありました。
しかし、これはB-BOXに限った話ではありませんが、3.11の大震災による水槽崩壊や、リビングルームが海水びたしになることによる家族のブーイングなども重なり、海水魚ブームは一時期ほどの盛り上がりはみられなくなりました。
専門誌もいくつもあったものの、いまこの日まで続いている書籍は片手で数えても充分余りある数しかありません。
それに加え、エル・ニーニョ現象をはじめとする異常気象が原因の海洋資源の崩壊や、オーストラリアのグレートバリアリーフの壊滅的な崩壊などもあり、機材などの環境は年々進歩するものの、入手できる生体は年々限りのあるものとなってしまいました。
前作に続き、ファインディング・ドリーが公開されたものの、それは追い風にはならなかったのです。
クーデターの兆候?
クーデターと書くと大変失礼と認識の上で書きますが、B-BOXの公式ブログには1月15日の閉鎖を予告するような書き込みがありました。
まだエキサイトブログには記事がのこっていますが、念のためスクリーンショットも残しておきます。
通常、店舗の公式ブログにこのような記述を書くことは稀だとおもいます。
しかも、後任は誰それ、ではなく、新規立ち上げの当店へ、ということですから、この時点でB-BOXの存在を否定していることに相成りません。
しかし、この記事を書かれた二木(ふたき)さんも苦渋の選択だったのだと思います。
ここには書けませんが、この他にもB-BOXをB-BOXたらしめた数々のスタッフの方々が時期を前後して辞められています。
関西では海水魚、というかSPSバブル状態ですが、関東地方ではその山が再び訪れるまではまだしばらくかかりそうな感じがします。