淡水用につかっていた小型水槽を、海水用に転換してすでに二週間が経ちました。
水質はすでに安定し、パイロットフィッシュのデバスズメも元気に泳いでいます。
小型水槽での海水魚飼育って大変なイメージがありますが、近年の添加剤の研究成果と性能向上のおかげもあって、添加の塩梅さえ間違わなければ安定して飼育することも可能となっています。
まずは、立ち上げ一週間の水質変化と添加剤の加え方について考えてみたいと思います。
水槽の概要
先日の記事にも書きましたが、まずは水槽の概要について整理しておきたいと思います。
- 水槽:30センチガラス水槽(300x200x250、 GEXグラステリア300、水量13リットル)
- ろ過:底面+外掛けフィルタ(GEX スリムフィルターL+GEXマルチベースフィルターL)
- スキマー:ウッドストーン式フィルター(マメデザイン マメスキマー)
- 照明:LED式(KOTOBUKI 淡水魚用←転用のため)
- 底砂:サンゴ砂(JUN プラチナリーフサンドNo5)
- 添加剤:RedSea No3:PO4-X
- バクテリア:ブライトウェル MicroBactor7
これらの大抵の商品は通販でも店頭でも揃えられますが、ちょっと特殊なのはバクテリアです。
ブライトウェルの製品ですが、取扱店舗は多いものの、MicroBactor7そのものは試験的に一部の店舗で取り扱っているだけです。
もし、この記事を参考に同じバクテリアを使いたいのであれば、販売実績のある下記の店舗に問い合わせてみると良いと思います(他にもあると思いますが、僕が知っている範囲で紹介します)。
水質変化の推移
MCP マリンケアテストキット(海水用) 沖縄別途送料 関東当日便
5月23日(立ち上げ3日目)
- NH3/NH4 0.2ppm
- NO2 0ppm
- NO3 0ppm
パイロットフィッシュとしてデバスズメダイ3匹を入れてみました。
この日からNO3:PO4-Xとバクテリアの添加開始。
まずはNO3:PO4-Xを0.25ml、バクテリアを1滴から開始。
NO3:PO4-Xを添加するとバクテリアが活性化し、海水中の酸素が大量消費されるため、魚が酸欠する危険性があります。
したがって、今日から毎日NO3:PO4-Xとバクテリアの量を調整しながら最適量を求めることにします。
5月26日(4日目)
- NH3/NH4 1.2ppm
- NO2 0.1ppm
- NO3 2ppm
硝化過程(アンモニアから硝酸塩への分解)は行われつつあるが、アンモニアの値が高くなっているため、バクテリアとNO3:PO4-Xの滴下量を増やすことにする。
NO3:PO4-Xを0.5mlに、バクテリアを5滴に増量。
5月27日(5日目)
- NH3/NH4 0.8ppm
- NO2 0.05ppm
- NO3 2ppm
茶ゴケがガラス面にうっすらと発生。シッタカ貝を2匹追加。
デバスズメダイの様子は問題なし。
アンモニアの総量が減っているので、バクテリア、NO3:PO4-Xの滴下量はそれぞれ5滴、0.5mlのまま維持。
5月28日(6日目)
- NH3/NH4 0.8ppm
- NO2 0.1ppm
- NO3 2ppm
アンモニアの総量が減らないこと、また硝酸塩(NO3)の値にも変化が見られないため、バクテリアの滴下量を増量することに。
NO3:PO4-X 0.5ml、バクテリア10滴に増量。
5月29日(7日目)
- NH3/NH4 0.8ppm
- NO2 0.05ppm
- NO3 2ppm
サンゴ砂に茶ゴケが広がる。
アンモニアの総量に変化が見られないが、これ以上バクテリアを増やすのは危険なので、NO3:PO4-Xを増量しさらに活性化させることで対処することに。
NO3:PO4-X 1ml、バクテリア10滴に変更。
滴下後デバスズメダイの様子を観察するが、呼吸状態に変化はないため、この量でも問題なしと判断。
5月30日(8日目)
- NH3/NH4 ほぼ0ppm
- NO2 0ppm
- NO3 0ppm
- PO4(ULR, Ultra Low Range) 6ppb
昨日までのアンモニア量、硝酸塩量が嘘のように0ppmに。
リン酸塩(PO4)もULR(Ultra Low Range, ppb単位の超低微量検査)で6ppbとごく少量の検出。
これからしばらくNO3:PO4-Xを1ml、バクテリアを10滴毎日添加で様子を観察することに。
まとめ
現在、17日目まで継続していますが、NO3:PO4-X 1ml、バクテリア10滴で安定しています。
もちろん、これは飼育している生体量や水槽の容量によっても変化しますので、パイロットフィッシュ(自宅の場合はデバスズメダイ)の様子を注意深く観察しながら微調整する必要があります。
特にNO3:PO4-Xを小型水槽に滴下する場合には、付属のカップで大まかに測るのではなく、100円均一ショップでも購入できる注射器(コスメコーナーに置いてあることがあります)を使って、0.25ml単位で調整するのが良いと思います。
もし、魚が酸欠し始めると、マメスキマーのウッドストーン付近で荒い呼吸をはじめたり、水面で口パクをし始めますので、そのような場合はさらに良く観察し、場合によっては海水量の半分を新しい海水に入れ替える必要もあると思います。
いずれにせよ、適切に添加剤を使っていくと、魚にとっても飼育者にとってもストレスのない飼育環境が構築できますので、ぜひ試してみてほしいと思います。