定期的に筑波大附属病院に通っているのですが、エントランスホール付近でここ数ヶ月なんらかの工事を行なっていました。

 

そして、この6月から障害者用駐車場とエントランスホール前車寄せ付近を大々的に封鎖し、本格的な工事へと発展してきました。

 

何の工事が行われているのか気になったので調べてみたところ、コンビニ1軒、コーヒーショップ1軒、調剤薬局2軒、講堂などを含むアメニティーモールを作るとのこと。

 

ちょっと色々きになったので、公開されている資料をもとにいくつか調べてみました。

アメニティーモールの設置目的

アメニティーモールの設置目的ですが、資料によれば次のようになっています。

患者をはじめとした病院利用者へのサービス向上及び,大学関係者の福利厚生の充実を図ることを目的とする。大学病院の特色を活かした地域連携や教育研究の観点も含めて民間事業者の資金と経営能力等によって施設を建設し,維持管理及び運営を委ねることで,良好な保全状態を維持することを図る。<span class="su-quote-cite"><a href="https://www.hosp.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/2017/06/20170621_2.pdf" target="_blank">筑波大学附属病院アメニティモール整備運営事業審査講評</a></span>

つまり、病院利用者だけでなく、大学関係者の福利厚生の充実も図る、ということです。

 

その目的のもと、このモールには次の施設が入るとのことです。

  • コーヒーショップ 1軒
  • 薬局 2軒
  • 理髪店 1軒
  • コンビニ 1軒
  • 講堂 1室
  • メディカルフィットネス 1軒

アメニティモールの設置場所

アメニティーモールの設置場所ですが、現在のロータリー・車寄せの大部分、および障害者用駐車場の一部を使って建設されるようです(「筑波大学附属病院アメニティモール整備運営事業における事業契約締結について」より引用)。

この資料を見る限り、障害者用駐車場を8ロット分、それに車寄せ前のロータリーの大半を利用して建設されるようです。

現在の進捗状況

ちょうど昨日、大学附属病院に行く用事があったので、いくつか写真を撮影してきました。

施工業者と、入居するテナントの一部のロゴが掲示してありました。

 

コンビニとしては、ローソンが入ることが既に決定しています。これは、事業実施者としてローソンと大学が契約を締結しているのでほぼ間違いないと思います。

 

また、ロゴの左側には今川薬局のロゴがありますから、おそらく薬局の一つは今川薬局系の調剤薬局(今川調剤薬局)が入るものと思われます。

 

障害者用駐車場です。

 

たしか58ロットあったと思いますが、そのうち半分を封鎖して工事を行なっています。

従って、使えるロットは29ロットと半減したため、この駐車場の利用について、附属病院では「運転者自らが障害者である車のみ」の利用に制限し、運転者が健常者の場合は仮設の車止めで障害者をおろし、通常の駐車場に車を停め直すよう案内しています。

 

実際、障害者用駐車場の入り口には案内誘導を行う係員が常時張り付き、案内を行なっています。

 

エントランスホール前のロータリーです。

 

小高い丘の部分は半分が撤去され、仮設の車止めが設置してあります。以前の全天候型の車止めは実質利用できず、仮設の車止めも広くないため、利用者や車椅子等の積み下ろしがちょっと大変な状態です。

 

日によっては車椅子で降りた利用者を大学病院内まで誘導する案内係の方がいらっしゃるのですが、昨日はいらっしゃいませんでした。

その場合は、自力で病院内まで移動する必要があります。

 

平面図です。

新B棟から工事現場がどうにかみえたので撮影してみました。

現時点ではアスファルトを剥ぎ、更地にしている状況です。

アメニティーモール設置による効果

病院内処方薬局の設置

一番の効果は、大学病院内に院外処方薬局ができるため、これまで一番最寄りの調剤薬局だった「かすが薬局」まで行かなくとも、病院内で診察から処方まで全てを済ませることができる点でしょう。

大半の方は自宅最寄りや使い慣れた調剤薬局を利用されていると思いますが、病院内でワンストップで調剤まで完結することは、利用者にとっては喜ばしいことであると思います。

フィットネスプラザ設置による健康維持

次は、病院内にフィットネスプラザがオープンすることにより、従来のリハビリ施設だけでなく、フィットネスプラザを利用した健康維持が行える期待があります。

 

つくば市内でも二十四時間型フィットネスクライブであるエニタイムフィットネス(研究学園、桜)のほか、各地にフィットネスクラブがオープンし、近年の健康維持志向の生活を支える施設として利用されているので、病院併設ということでより効果の高いフィットネスクラブができるものと期待できます。

似たような取り組みとしては、筑波記念病院のフィットネスクラブがあげられるでしょう。

講堂開設による学外者向け各種講座の実施

これは完全な予想ではありますが、講堂がアメニティプラザにオープンすることによって、学外者が利用しやすくなる可能性が高くなるでしょう。

 

たとえば、各種疾病に対する学外者向けセミナーは、いままで病院内の教室などを利用して行われてきたようですが、モール内に講堂ができることによって、アクセスが容易になります。

 

また専用施設となることによって、よりセミナーの頻度も高くなることが期待され、筑波大学附属病院としての情報発信もいま以上に効果的なものになると思われます。

理髪店の設置

病院利用者で入院患者以外あまりお世話になることはないかもしれませんが、大学病院の奥まったところに理髪店があります(あまりにも奥すぎてご存知ない方お多いのではないでしょうか)。

 

それが移転になるのか、追加オープンになるのかわかりませんが、アクセスしやすい所にできることは利用者への利便性が高まるものと思われます。

アメニティーモール設置による懸念

病院内学内コンビニの増加

これは利点でもあり懸念でもあるので難しい所ですが、病院内にコンビニは既に2軒あり(デイリーヤマザキ系)、そこに新たにローソンが加わるとなると、競争が激化することも考えられます。

 

ただ、学内のヤマザキストアは常時混んでおり、またレジ待ちの行列ができるため車椅子などの取り回しも悪く不便な時もあるので、コンビニ増加による利用者の分散を図り混雑緩和をる上では効果的かと思われます。

 

また、現在のコンビニは奥まった所にあるため、より利用者にわかりやすい所に設置されるのは、利用者目線では便利になるものと思われます。

コーヒーショップの設置

既に大学病院にはスターバックスコーヒー、およびタリーズが店舗を構えていますが、アメニティーモールにもコーヒーショップができるようです。

 

このコーヒーショップはどこが経営主体になるのか、現在集められる資料ではまだ不明です。便利な所にあるものの座席数の不足で不便を強いられているスターバックスコーヒーが移転してくるのか、それとも大学内のカスミと併設されたサザコーヒーなどが入居するのかわかりませんが、3軒目のコーヒーショップを作る必要があるのかについてはやや疑問を覚えます。

 

これは後述する駐車場・ロータリー問題とも関係しますが、これらのアクセス設備を潰してまでコーヒーショップを作る必要があるのかについてはやや疑問が残る所です。

駐車場・車寄せ問題

さて、本文でも触れました通り、このアメニティーモールは障害者用駐車場の一部、およびロータリーと車寄せの敷地を使って設置されます。

 

竣工図をみただけではわかりにくいのですが、現在の全天候型車寄せはかなり使いづらい(車でのアクセスが悪い)ため、使われなくなる方向に進むのではないかと思います。

 

特に雨の日は館内放送で車の移動の案内がかかるほど混雑していますが、その車寄せが狭くなり、また屋根がないような状況となると、車椅子だけではなく入退院の荷物を抱えた方々のアクセスも悪くなってしまいます。

 

また、アメニティモールの一部は障害者用駐車場の一部を利用して作られるため、この設備を利用される方々の利便性も悪くなることになります。

 

建設費は高騰してしまいますが、現在の駐車場、および車寄せにまたがるよう、アメニティーモールを作ったほうが、コンビニなどへのアクセスがやや不便になるものの、全体のバランスを考えたらむしろプラスに働いたのではいでしょうか。

 

敷地の一部を完全に占有しての建設には、やはり疑問を抱かざるを得ません。

まとめ

突如として始まった感があるアメニティーモールの建設ではありますが、1年ちょっと待つと完成するようなので、まずはそれを待ち、実際の効果を見てみたいと思います。

 

それまでは様々な問題も発生するだろうと予想しますが、利用者の声の掲示板などもみながら、機会があれば再度考察してみたいと思います。