うちには120センチのオーバーフロー水槽があるのですが、現在わけあって熟成中なので、余ってる30センチ小型水槽2個を海水用に転向してみることにしました。
海水用に転向する大きな理由は、メインの120センチ水槽ではソフトやLPS,SPSを飼育しているんですよね。そうするとどうしてもしいくできる海水魚の種類が限られてくるので、そこで飼育できない海水魚を飼育してみたいと思い計画してみました。
転向する水槽のうち、一つはメダカやコリドラス、オトシンネグロが住んでいたのですが、こちらは実家の父に引き取ってもらいました。もう一個の水槽は完全に空なのでリセットです。
やや初期投資はかかりますが、比較的短期間でアンモニア(NH3/NH4)ゼロ、亜硝酸塩(NO2)、硝酸塩(NO3)ゼロの環境に持ってくることができたのでちょっとご紹介したいと思います。
システムの概要
基本的に利用するメソッドは、RedSeaのRCP(Complete ReefCare Program)です。
本来はサンゴの飼育のためのメソッドなのですが、プログラムの中に海水魚飼育のためのプログラムも紹介されており、硝酸塩やリン酸塩を減らすための方法としては現在有効な手段の一つです。
このメソッドを適用するにあたり必要となる飼育機材は次の通りとなります。
- 適切なろ過能力を持ったフィルタ
- 適切なスキミング能力をもったプロテインスキマー
- 効果的なバクテリア
- NO3:PO4-X
我が家では、それぞれ次のような構成で実行してみました。
適切なろ過能力を持ったフィルタ
今回設置する水槽は、場所の関係で外部フィルタが設置できません。当然、ろ過槽を設置する場所もありません。
そもそも、外部フィルターは掃除も大変で、定期的な清掃が必要とは言われつつも、そのうちブラックボックス化することが多いと思います。
そこで、我が家では小型水槽では淡水・海水問わずジェックスのスリムフィルターシリーズをフィルタとして用いています。
これであれば水槽にかけられますし、薄型なので場所もとりません。
30センチ水槽ですが、ろ過面積が広いに越したことはないので、Lサイズを用いています。
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ここでもう一つ、フィルタの能力を最大限に活かすため、海水魚飼育ではあまり用いない底面フィルタも用いています。
これは、砂底もフィルタとして利用するための拡張装置です。
淡水用であれば、この底面フィルタのみでも利用できるのですが、海水の場合は先ほどのスリムフィルタと連結して使います。
砂底ですが、通常はパウダー状の物を用いることが多いと思いますが、これだと砂底が目詰まりするので、あえてサンゴ砂の中目を水槽の大きさに合わせて使っています。
一例ですが、次のような商品があります。
これくらいの荒さであれば、砂底としてもフィルターとしてもかなりの面積を占めることができます。
適切なスキミング能力をもったプロテインスキマー
魚に取っても有害なアンモニア、亜硝酸の除去(適切なろ過装置の設計による硝酸塩への分解)、それに危険ではないものの健康に少なからず影響を与える硝酸塩をゼロに近づけるには、ろ過装置だけではなく、何らかの添加剤を使用するのが選択枝の一つです。
この水槽では、RedSeaのNO3:PO4-Xを使っていますが、この添加剤を使用するにはプロテインスキマーを使う必要があるので、それも準備します。
冒頭の写真で紹介した水槽は、マメデザインのマメスキマーを使っています。
2台目の水槽では、カミハタの海道河童シリーズを使っています。
カミハタ 海道河童 フィルター(大) 水槽用外掛式フィルター 関東当日便
どちらも小型スキマーの中では優秀な製品ですが、個人的には使い慣れたマメスキマーをお勧めします。
ただし、価格がそれなりにするので、安く調達したい方はメルカリやヤフオクを使うと結構安く購入することができます。
ちなみに、我が家ではメルカリで2本セットで調達し、足りない部品だけ追加購入しました。
いずれにせよ、プロテインスキマーがなければ硝酸塩を分解することはできませんので、ここはケチらず購入することをお勧めします。
効果的なバクテリア
バクテリアもペット用品売り場にゆけば多種多様の商品がありますが、これまで購入した製品の中で確実に効き目があるのは3商品くらいです。
それらは、シーケムのスタビリティー、ジェックスのサイクル、それにブライトウェルのマイクロバクターシリーズです。
自宅で使っているのはマイクロバクターシリーズなのですが、これは特定のお店でしか取り扱っていないため、シーケムのスタビリティーやジェックスのサイクルを使ってみることをお勧めします。
NO3:PO4-X
海水魚の飼育だけであれば前述のバクテリアだけでも十分行けるのですが、硝酸塩まで分解させるとなると、添加剤の使用が確実です。
昔から硝酸塩をゼロにする添加剤は色々ありましたが、いま確実にお勧めできるのはRedSeaのNO3:PO4-Xです。
バクテリアと一緒にこの添加剤を加えると、比較的短期間にろ過環境の構築ができますし、硝酸塩を無害化することもできます。
ただし、この添加剤を使うとバクテリアが一気に海水中の酸素を消費し、肝心の魚が生きてゆくための酸素まで奪ってしまいますので、添加剤やバクテリアの添加量は慎重に決定する必要があります。
この辺りのさじ加減については、次の記事で紹介したいと思います。
まとめ
今回は底面ろ過と試薬も用いた低栄養塩(ULNS, Ultra Low Nutrition System) の構築に必要な機材について紹介しました。
次回は水槽立ち上げから安定した水質になるまでの経過についてご紹介できればと思います。