日本ではミッフィー、あるいは「うさこちゃん」の作者で有名なオランダ人絵本作家、ディック・ブルーナが逝去されました。

出版業の父の仕事を継ぎ、イラストレーターとしての作画技法を確立しながら、我が子のための本を作ってあげたいという気持ちから始まった絵本作家の仕事。

生まれの地オランダでは「ナインチェ」と呼ばれ、「ふわふわちゃん」という意味のうさぎちゃん。そのうさぎちゃんは、ブルーナ本人が子どもの頃遊んだうさぎが元になってると聞いています。

彼の作業は地道なもの。

絵をよく見るとわかりますが、どんな線であっても、一直線に書くことはありません。

筆に含ませた絵の具を一つひとつ、下書きの線に沿わせて打ってゆくのです。

色彩にもこだわりがありました。

彼はきらびやかなものにこだわることなく、青、だいだい、黄色、緑、茶色、そして時々灰色と、限られた色だけで世界を表現しました。

彼の作品は、とりわけ日本では大人気だったのでしょう。

仕事柄、ヨーロッパに出張することがよくありました。

目的地に直接到着することはないので、大抵どこかの大空港で乗り継ぐことになります。

僕は好んでオランダのスキポール国際空港を使いました。

世界有数の大空港であり、エンタテインメントが充実しているだけではありません。

EU各国から日本のエアラインにつながる通路に、コンパクトながらもミッフィーショップがあるからです。

結局、これまでにオランダそのものに上陸することはかないませんでしたが、いつもこの店でその気分を味わったものです。

彼は逝ってしまいました。

しかし、彼が残した作品はミッフィーだけではありません。

これまで機会があれば各地の展覧会に足を運び、図録を購入し、彼のデザインからヒントを得てきました。

これらの中にはまだ日本人には知られていないものも多くあるでしょう。

そして、それらがこれからも長い期間にわたり、日本人に愛されると思っています。

HNKのとある有名番組で実際に使われたクレイモデルです。

ミッフィーがしゃべる!瞬きしてる!