久々のクラシック音楽ネタです。
しかも、普段あまりクラシックを聞き慣れない方からコアな方までどちらにもお勧めの話題です。
先日4月11日、NHKの「らららクラシック」という番組で、アラム・ハチャトゥリアン作曲の「剣の舞」が取り上げられました。
この剣の舞、正確には「ガイーヌ」というバレエ組曲の中の一曲なのですが、とりわけ「剣の舞」が爆発的な人気を呼び、日本に限らず世界各国のあらゆる場面で演奏されます。
小中学校の運動会や音楽の時間で聴いたことがある方も多いと思います。

小澤征爾指揮・ベルリンフィルハーモニー管弦楽団で。
まだお若いころの演奏ですね。
この「剣の舞」、番組では最後を閉めるこの曲がリハーサル前日になっても完成しないというエピソードで紹介されていましたが、別のエピソードもあります。
それは、初演前日になって、バレエ全体として見たときにインパクトのある曲をもう一つ挿入したいというリクエストがあり、それに応えるため徹夜で作曲したというエピソードもあるようです。
いずれにしても、「徹夜で」作曲されたことには間違いありません。
その「徹夜で」作曲された曲が全世界的なヒット曲になったわけですが、ハチャトゥリアンとしては「剣の舞」だけが一人歩きすることを嫌ったらしく、時にそのことを周囲に漏らしていたようです(音楽に限らず作家という方は同じ体験をするそうですが)。
さて、個人的な思い出としては、高校2年生の時、所属していた吹奏楽部が出場するコンクールの自由曲として、「ガイーヌ」の中から「アイシェの目覚めと踊り」と「レズギンカ」を演奏しました。剣の舞は時間的な都合から演奏できませんでした。
この2曲のうち、とりわけ「レズギンカ」については木管楽器による細かい旋律が多く、選曲段階においては木管楽器担当の友だちから猛反対をうけましたが、結果として県予選を勝ち抜き、九州大会出場の切符を手に入れられたのでよかったと思います。懐かしいです。
ところで、この「ガイーヌ」ですが、全曲版だと50曲、140分を超える演奏となるのですが、近年演奏されるのはこれらの中から数曲を抜粋した組曲版であり、出版されているCDも組曲版が大半です。
しかし、15年くらい前になるでしょうか、銀座のヤマハでCDを見ていたときに、「ガイーヌ 全曲版(ボリショイ劇場版)」を発見し、これは買わねばということで買った記憶があります。
当時で4000円したCDですが、現在は廃盤となり、Amazonでも中古にプレミア価格が乗って販売されている状態です。
ちなみに、僕が購入した「ガイーヌ」は、ボリショイ劇場版という原曲にいくつかの曲を追加したバージョンです。巷ではジャンスグ・カヒッゼが指揮しているのでカヒッゼ版と呼ばれているようです。

ちなみに、いま探し直したら、原典の全曲版「ガイーヌ」を発見しました。
ただ、レビューを見ると音源が古いのでノイズが乗っていると言うことらしいです。
しかし、レア物マニアとしては、これは手に入れておくしかないですね。安いですし。
とりあえず欲しい物リストに入れておきます。

さて、先に出した「カヒッゼ版」ですが、音源がYouTubeにあることを発見しました。
インデックスの印刷が異なりますが、演奏は同一です。

チャイコフスキーを代表に、ハチャトゥリアン、ストラビンスキー、プロコフィエフなどロシア・ソ連の作曲者が書いた曲は近代曲にしては非常にわかりやすく(言い換えると「口ずさみやすい」)、クラッシックが初めてと言う方にもお勧めの作曲者です。
ガイーヌも全曲聴くと演奏時間が2時間を超えますが、これを機会にBGM代わりに一度聴いてみてはいかがでしょうか。
ガイーヌはどこか東洋的なイメージを秘めた曲で、聴きやすい曲だと思います。
ついでに。
youTubeを見てたら「バレエ版」のガイーヌを発見しました。
早速全曲見てみました。
バレエ版を見るのは初めてなのですが、いままで想像するしかなかった踊りの内容が具体的なビジョンとして展開されているのを見るのは非常に新鮮でした。
演奏時間は2時間20分とあるのですが、途中2回の幕間(まくあい)で各20分のインタビューが入るので実質1時間40分となります。

序奏のテンポがボリショイ版の倍以上ですね(笑)
有名な曲だけ抜き出すと、
0時間00分03秒頃 序奏
0時間57分15秒頃 アイシェの目覚めと踊り
1時間58分34秒頃 バラの乙女たちの踊り
2時間03分50秒頃 レズギンカ
2時間09分12秒頃 剣の舞
といった感じです。
こちらも併せて鑑賞してみてはいかがでしょうか。