お待たせ、iPhone5 油漬けからの救出の後半です。
まずは現時点での実機の稼働状況。

見た目については全くの新品です。

油についても強力洗浄剤を使ったのでよっぽど僕のiPhoneの方が脂ぎってます。

一番心配されたLightningコネクタを使った充電についても問題なく行えています。

問題はといえは、液晶パネルとバックライトの間のシミが多少広がったということでしょうか。

特に白い画面を見ているときに気になります。

ただし、接触不良で生じるような横縦一列ドットが欠けてしまうといったことではないので、現時点では許容の範囲内ということです。

さて、分解の後半。

前回は吸盤でiPhoneを二分割するところで終わりました。

小さな動物園-吸盤であける

マイナスドライバでこじ開ける方法もありますし、そのような方法であけている業者もいるようですが、液晶画面などに傷がつきかねません。

一方、吸盤は広い面積でガラス面を吸着しますから、ガラス面が割れることもありませんし、こじ開けに伴う傷が生じることもありません。

さて、二分割するとこんな感じになります。

小さな動物園-分解完了

ざっくり見たところ、左側の基板が液晶画面、フロントカメラ、マイク、スピーカー、ジャイロセンサー類、右側がGPS、リチウムイオン充電池、メイン基板、各種コネクタ類となっているようです。

これらの基板はいわゆる「フレキシブル基板」で接続してあります。

フレキシブル基板とは、一般的なベークライトやガラスエポキシといった固い基盤とは違い、フニャフニャの基板です。

これらがメイン基板にコネクタで接続されています。

これらのコネクタを外したり、ねじを緩めるときにはカメラで撮影しておくことをお勧めします。

小さな動物園-ねじ位置確認

こんな感じで撮影しておくと、部品がどのような形で配置されていたのか、どのようなネジが使われていたのか一瞬で確認できます。

また、iPhone5では少なくとも4種類、基板の固定に3種類のネジが使われているようです。

同じ径でも長さが違うネジが使われている場所があるので要注意です。

幸いにして内部への油の侵入は最小限で食い留められていましたが、はやり要所要所に油らしい痕跡があります。

これらはすべてきれいにしておく必要があります。

Lightningコネクタのように穴が開いている部分にはどっぷりと油が入り込んでいる可能性があるので、ここには遠慮なく洗浄液を吹きかけます。吹きかけるときには専用のチューブを使い、また洗浄されたあとの廃液の流れに気を付けながら洗います。

小さな動物園-溶剤をしみこませる

電池表面などの汚れはキッチンペーパー(できればキムワイプ)のようなものに洗浄液を付けてそれでふき取ります。

洗浄液は以外とあっという間に揮発してしまうので、ペーパーにはたっぷりと吹き付けて、さっとふき取ります。

洗浄が終わり、溶剤が十分に揮発したら、部品を元に戻します。

ある程度元に戻したら、ライトニングコネクタを接続してみます。

小さな動物園-再起動と受信

神に祈りつつ、電源を入れると...無事に電源が入りました。

一通り機能が回復し、電池に異常な発熱がないことを確認したら組み立てです。

小さな動物園-ネジ緩め

組み立てですが、二つの「箱」はかなり精度が高く組み立てられており、慎重に作業をしないと筐体を歪みかねません。

もしかしたら、分解するよりも大変かもしれません。

最後にねじを締めて完了です。

小さな動物園-修理完了

ご覧の通り、液晶右下の部分にシミができましたが、これは現状では致し方がないところです。

それよりも、油没という最悪の状態から回復できただけでもよかったと思います。

ちなみに、今回使った修理費は336円。

精密ドライバが116円、洗浄液が220円でした。

以上、修理報告でした。