お久しぶりです。
みなさんは、魚を購入された後どうされていますか?
お店では、「水合わせは大切です。pHショックを防ぐためにも水合わせを行いましょう」という説明が書いてあり、実際それを勧めるお店はたくさんあります。
しかし、魚のトリートメントについてはどうでしょうか。
東南アジアから送られてくる魚も数日かかって届きます。
しかも、運送中に自分が出す糞でアンモニアを発生させない様に、問屋から出されるときにはエサを抜いた状態でだされます。
日本に来るチョウチョウウオはペラペラですが、同じ魚で沖縄産をみると太り方が全く違います・
それはさておき、こんな状態で出荷されますので、皮膚の免疫が落ちるだけではなく、皮膚に傷がついていることもあります。
お店ではきれいに見えていたように感じる魚、実はいろんな病気のキャリア(運び屋)だったりすることがあります。
もしかしたらお店の水槽で何らかの病気をうつされているかもしれません。
これらを水際で防ぐために、トリートメント作業を行います。
目的は2つ。
1)静かな環境で魚が持っているストレスを減らす
2)薬浴することで皮膚の免疫力を高める。
です。
薬浴ですが、グリーンFゴールド顆粒を使います。
小さな動物園-GFG
本来は淡水魚用の薬ですが、海水魚の薬浴にも使われます。
もちろん、自己責任での使用になりますが。
薬剤としては、ニトロフラン系のニトロフラゾンとサルファ系のスルファメラジンナトリウムが配合されています。
前者はグラム陽性菌とグラム陰性菌への殺菌能力を持ちます。なので体表に潜んでいる様々な病気の改善に役立ちます。一部の文献によれば、体内にも入っていくそうです。ただし、濾過バクテリアはグラム桿性菌とグラム陰性菌に属するので水槽内への投与は厳禁です。
後者もほぼ同じような成分のようです。
さて、トリートメントの流れとしては次のような感じになります。

1)温度合わせをする
2)温度合わせしたRO水(浄水)で淡水浴をする

淡水浴はかなり難しいと思われていますが、できる限り実行した方がよいと思います。
試しに黒い容器で淡水浴するとこれでもかというほど、エラからいろんな寄生虫が出てきます。
エラの病気は突然死につながることもあるので、水際防止がいいですね。
淡水浴についてはいろんな方法があるようなので、そちらを参照してください(すいません)
3)薬浴をする
さて、ここからが重要というか、重労働になります。
薬浴ですが、約1週間から10日ほどつづけます。
なぜそれほど長い時間をかけるのかというと、事前のトリートメントで「白点菌」を追い出すための効果的な薬剤が無い、というのが理由の一つです。
目には見えていないかもしれませんが、購入した魚には白点菌がついている可能性があります。
それをバケツリレー方式で1週間から10日ほど続けることで、体表から離脱した白点菌を捨ててしまいます。また、一週間ほどかけて体表を強化させます。
当然、海水は毎日交換です。
ただ、白点菌に強い魚や関係ない魚もいると思いますので、トリートメントの期間についてはお店の方に相談するのがいいと思います。
ここで考えてほしいのは、コストの問題です。
水の値段を除いたとして、一匹の魚を薬浴させるのにどれくらいのお金がかかるのでしょうか。
わかりやすいように、600リットルで3000円の人工海水があったとします。10リットルで50円です。
グリーンFゴールドが25グラムで2500円。
10リッターに対して0.5グラム(海水での経験値)なので、50円。
すると、10日の薬浴で1000円かかります。
場合によっては購入した魚よりも高価になることもあります。
もちろん、スズメダイのような魚は数匹まとめて薬浴する方法もあります。
しかし、毎日海水を作るのも大変です。
さて、余計な出費がかかっても試しに薬浴に挑戦してみるか、水合わせと淡水浴で水槽に魚をいれるのか。
一概には言えない話ですが、僕は前者の方がいいと思います。
ちなみに、あくまでも参考ですが、
うちの水槽で泳いでいるウズマキ、一週間薬浴させたのち水槽に入れました。
ある日白点になって困ったのですが、数日で自然治癒してしまいました。
薬浴の効果が出ているのかなと思っているところです。