皆様、ご無沙汰しております。
宮城県沖での未曾有の大地震が連日報道されていますが、僕が住んでいる茨城県つくば市もその影響を受けてしまいました。
つくばは海から通いので津波の影響は受けませんでしたが、長周期の二次波(S波)で建物に被害を受けました。
ただし、市内の影響は場所によってことなり、特に被害を受けていない場所もあれば、外壁が倒れているところ、屋根瓦が落ちているところ、漏水、停電といろいろです。
僕の仕事場(個室なのですが)にはアイリスオーヤマの地震速報器を置いてあります。
個人的に設置したものです。
地震速報機 EQA-001 31308/アイリスオーヤマ

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金曜日の2時過ぎ、この警報器が突然警報を出しました。
「宮城県沖、震度5」
その2秒後、つくばも揺れ始めました。
最初は「のっそのっそ」といった感じの揺れなのですが、2秒もたたないうちに激しいひねりが加わった揺れへと変わりました。
椅子に座り、PCの前で作業していたのですが、椅子が振り回され、踏ん張ることもできません。
地震はなんども経験しましたが、揺れで「酔ってしまう」のは初めてです。
キャビネットに入れている書類がドサドサ落ちてきます。
停電して、天井の隙間から埃が落ちてきます。
「これはただ事ではない」
直観的も何もそう思うしかありませんでした。
# 物理が好きな方へ…僕がいる建物は12階建てで部屋は3階にあります。
# 12回を解放端と考えると、ひねりが加わる部分は...そう、3階です。
揺れが収まり部屋から出ると、廊下はほこりまみれ。
多くの同僚が茫然としており、主要な場所は防火扉が閉まっています。
3階にある部屋がこのような感じです。
マンションの4階にある自分の部屋はこれ以上の影響が考えられます。
急いで荷物を整理し、防火扉を開けて駐車場へ向かいます。
建物の継ぎ目が破損し、水漏れもあります。
駐車場の車は無事なので急いで乗り、ラジオをつけ、まずは買い物のため途中まで車に乗せていった母の元に向かいます。
職場の裏道を使うと早いのでそこを走りましたが、途中から大冠水。
最初は水路が壊れたのかと思いましたが、どうも職場の受水施設が破損しているようです。
ステンレスでできた設備ですが、継ぎ目がぱっかり割れ、そこから勢いよく水が漏れています。
すでに技術職員が駆けつけていたようですが、手におえないためか茫然と眺めているだけでした。
母は職場のすぐ近くで買い物していたので、すぐに発見できました。
母を車に乗せたあと、次に父の職場に向かいます。
父は自分の車で通勤していますが、建物補修のため足場を組んでいると聞いていたので、それを心配していました。
毎日の会話でなんとなく場所は想像していたので、そこに直行。
父はその場所にいませんでしたが、無事とのこと。
車を止めて父の同僚と話している間も強い余震が襲います。
つくばの公害は「お城」みたいな家が多いのですが、その家が大きく揺れます。
1秒くらいの長周期の揺れなので、いつ壊れても不思議ではありません。
同僚の方に「自分と母は大丈夫だ」と伝言を依頼し、次に向かったのがガソリンスタンド。
はっきりとした理由はなかったのですが、ガソリンを満タンにしておく必要があると直感的に感じました。
停電していて給油できないガソリンスタンドも何か所かありましたが、いつものスタンドで給油できました。
その後は病院へ。
持病の薬を出してもらうためです。
だが、病院はすでに閉鎖。
しかし、調剤薬局で薬を出してくれるとのこと。
少々時間がかかりましたが、薬を確保することができました。
そして、自宅へ。
マンションの駐車場に車を止めると、万が一倒壊したときに車がつぶされるので、別の駐車場に車を止めました。
マンションの外壁はタイルが一個だけ落ちている程度ですが、中は壁が何か所か崩れています。
小さな動物園-外壁
マンションの外壁
小さな動物園-廊下
廊下
そして、自宅のドアを開ける前に目に飛び込んできたのは...
小さな動物園-ドアからの眺め
うちは角部屋で、しかも錠はクレセント錠。
それが地震の震動で空いたのです。
そして見えたのは大崩壊したお品書き、だけでなく水槽周辺。
棚も落ちています。
手前に棚の裏が見えていますが、実はこれ、ベッドの上に落ちているのです。
つ ま り 、
僕がずる休み、あるいは地震が土曜日だったら、この棚の下敷きになっていた可能性があったのです。
ああ、まじめに仕事に出ていてよかったと思った瞬間です。
玄関のドアを開けると、衝撃の風景が。
小さな動物園-玄関
廊下の収納などに入れておいたものがすべて飛び出しています。
室内は水浸しなので靴のまま室内へ。
小さな動物園-台所
台所です。
食器棚が倒れています。
大きな食器棚もあるのですが、それは天井の高さギリギリなので倒れていません。
しかし、大人二人でやっと運べるような食器棚が数センチ動き、そして中に入れている食器がガラス扉を突き破って散乱しています。
ガラス扉には飛散防止のシールが予め貼ってあるのですが、食器はそれをも押しやり、扉ごと飛散しています。
小さな動物園-リビング
リビングです。
ここでも本棚が倒れています。
平日、母は手前のソファーでテレビを見ていることも多いのですが、たまたま外出していたのでけがせずに済みました。
小さな動物園-ケージ
こちらはテレビ側。
テレビにクッションがはさんでありますが、これは二次被害を防ぐための対応です。
テレビを立てていても、また揺れれば倒れてしまうため、あえて倒したままにし、そして衝撃を緩和するためにクッションを挟んでいます。
そして、自分の部屋へ。
ここからは衝撃の画像が続きますのでご注意。
小さな動物園-本棚
部屋の入口においている本棚です。
コーラルフィッシュやインテリアアクアリウムもこの本棚においています。
本がほとんどすべて落ちてしまっています。
小さな動物園-魚水槽
魚水槽です。
そう、先日サテライトを付けた水槽です。
幸いにして水槽に割れや移動はありませんでしたが、揺れで海水が1/3ほどなくなっています。
残念なことに、この時点でほとんどの魚が死んでいました。
沖縄セグロチョウ、ウズマキ幼魚(10センチ)、ヒフキアイゴ、セジロクマノミ、そして超巨大なイボハタゴ。
何匹かは画像にも収まっていると思います。
また、この写真ではすでに水槽からあげていますが、LED照明のMAXSPECT MAX-S G2 も水槽に使ってしまっていました。
サテライトはMAXで抑えている状態です。
小さな動物園-ベッド
ベッド方面。
もう、この状況を見た時点で「生きててよかった」と思ったのは言うまでもありません。
IKEAの本棚がベッドに落ちています。
生きていたにしても、内蔵破裂や骨折は免れなかったと思います。
そしてZEO水槽。
小さな動物園-ミドリイシ水槽
VERTEXのIlluminaが落ちています。
こちらは幸いにして水槽の外に落ちました。
高かっただけに、なんて言ってられません。
ドーシングポンプやエレメントはこちらの水槽におちていました。
作業途中で完全に固定していなかったのもあるのですが、もうこの時点であきらめの気持ちも通り過ぎてます。
生きている魚もまだいたのですが、震災直後のこの部屋に残ることは賢明ではありません。
まずは生活必需品を急いでそろえて、安全な場所に避難するしかありません。
最初にガスの元栓を確認します。
きちんと閉まっていることを確認します。
次に、廊下にある給水器が入っている扉を開けて、ガスの大元の栓、水槽コックを閉めます。
死後に、ブレーカーをすべて落とします。
もっとも、地震発生時にこぼれた水槽の海水でブレーカーが落ちていたのですが、念のためどの回路が死んでいるのか確認後、ブレーカーを落とします。
ご存じの方も多いと思いますが、阪神大震災で火事が発生した原因は、ガスが復帰し電気が通じた後、ショートで発生した火花で着火したことと、水槽のヒーターが過熱したことが原因だったそうです。
生活に最低限必要なものをそろえたあと、一時自宅から退避することにします。
水槽にはまだかろうじて生きている魚たちもいましたが、安全に持ち運ぶ方法がありませんし、海水を準備する方法もありません。
断腸の思いというのはこのことでしょうか、無念というか長い間うちの水槽で楽しませてくれたことを感謝しつつも心が引き裂かれるような思いで家を後にしました。
話はこの後も続きますが、また別の機会に書きます。
なお、日中はツイッターを使っています。
アカウントは @jun490831 です。
震源地に近い宮城、福島の情報も少ないですが、震度5強を記録したつくば市、土浦市、牛久市の情報も少なく、多くの人が困っているようです。
こちらでもわかる限りですが、リアルタイムの情報を提供します。
参考になれば幸いです。