8か月ほど、その小さな体とは裏腹に水槽の中をBダッシュして、時にはほかのヤッコさえ追い回していたチェルブピグミーエンゼルが行方不明になってしまいました。
時期を同じくしてマルチカラー(こっちは数か月)が原因不明死をしていたので、もしかしたら喧嘩したのかもしれません。
チェルブって、色彩は単純な割には魅力的な魚なんですよね。
ヤッコの中ではおそらく身体的にも丈夫な部類だし、泳ぎは早いし、狭いところもすいすい泳ぐし。
ヤッコの中では価格的に中くらい(5000円台)と決して安くはありませんが、初めて買うにもちょうど良いヤッコです。
ただし、あまり性格が強くなっちゃうとほかのヤッコが追いかけられてしまいますが...
さて、今回は商品レビューです。
レビューする商品は、GroTech(独グローテック社)のドーシングポンプ、TEC III NG です。

先日の香港製とは違い、この製品は1つの箱に3つのポンプがついています。
また、時計内蔵ですので、投与時間も決めることが可能です。
ただし、あまり細かい設定はできません。
基本的には
・1日あたりの添加量(1~1999ml)
・1日あたりの添加回数(1~6, 8, 12, 24)
・最初の投与を始める時間
を決めることができる程度です。
ちなみに、この製品は添加量のキャリブレーションができません。
キャリブレーションをするかわりに、実際の添加量を調べて、それに合わせて調整ことになります。
添加量が1999mlまで設定できる点では香港製ドーシングポンプより便利ですが、それ以外の機能を考慮すると、両者にあまり差はないような感じを得ました。
せっかく時計を内蔵しているので、決まった時間帯だけポンプを動作させるといったプログラムができればより便利なのですが、そこまではできないみたいです。
ただし、3つのポンプを一括してコントロールするので、3つのエレメントの添加時間は5分の時間差ができるようになってます(ただし、変更は不可能)。
性能分析はこの程度にして、実際に取り付けてみたいと思います。
取り付けは、先週作成した「お品書き」に取り付けます。
ただし、添加剤は魚水槽の方に行います。
ZEO水槽はいつも添加剤を入れるのですが、魚水槽はついついわすれてしまうので、先にこちらを自動化することにしました。
まずは、ドーシングポンプを設置するための棚を作ります。
TEC III NG には取り付け穴がないので、棚を作ってそこに置く必要があります。
ホームセンターに行くと棚を設置するためのレールと棚受けがありますので、それを使います。
小さな動物園-棚設置
こんな感じで棚を作ってみました。
あと一段分くらいは棚をつくれそうですが、あいにく棚受けが売り切れていました。
ほかのホームセンターには置いていないので、次の入荷を待つしかありません。
棚板は余っているので、2つ目の棚を作ったらそこは餌置きにしたいとおもいます。
エレメント類はすでに100円ショップで購入したカゴに入れて棚に置いてあります。
次は、これらエレメント類のキャップに細工をします。
小さな動物園-オリジナル
たとえば、マーフィードが取り扱っているブライトウェルシリーズの添加剤の場合、キャップの穴はこんな感じになっています。
しかし、ドーシングポンプに接続するホースは内径4ミリ、外径6ミリ(もしくは7ミリ)のシリコンホースになります。
品質管理上、キャップを取り外したままホースを容器にいれるわけにはゆきませんので、この穴を拡大し、そこにホースを通します。
小さな動物園-穴拡大
穴の拡大はドリルを使って行いました。
また、ちょっと離れた位置に、直径2ミリ程度の穴をあけておきました。
これは、ポンプに負担をかけないための空気の通り道です。
紙パックの容器に入った飲料を飲む自分を想像してみてください。
この場合、自分がポンプになるわけです。
その時、ストローから勢いよく飲み物を飲んだらどうなるか...
容器が凹んじゃいますよね。
これは、液体を吸い上げるときに吸い上げた量と同じ空気が入ってくることができないため、大気圧に負けて凹んでしまうわけです。
紙パックならまだしも、添加剤が入っているようなPP(ポリプロピレン)系の入れ物がかなり固いので、ポンプにはかなりの負担がかかります。
そのようなトラブルを防止するため、小さい穴をあけておきます。
次に、シリコンチューブの準備です。
小さな動物園-シリコン2
シリコンチューブはショップにおいてあることもありますが、大抵高価です。
一方、専門店から購入するとかなり安く購入できることもあります。
今回は、アズワンというメーカが作っている、内径4ミリ、外径6ミリのホースを取り寄せました。
モノタロウというネットショップで購入すれば2000円でおつりが出ます。
小さな動物園-シリコン1
今回の製品は11メートル単位の切り売りですので、こんな感じで送られてきます。
さてこのチューブ、ポンプから水槽まで伸ばし、そこに固定する必要があります。
添加する場所はいろいろ考えられますが、一般的には流れが速い場所といわれています。
また、今回はバイオペレットでのPAO(ポリリン酸蓄積細菌)を使った窒素の取り込みを計画しているので、バイオペレットに海水を送るポンプ近傍に添加できれば最適です。
そこで、チューブホルダーを使ってチューブを固定します。
キスゴムでも可能ですが、経年変化でいつの間にか外れてしまっていることもあるので、今回は既製品のチューブホルダーを使ってみました。
小さな動物園-チューブホルダー
このチューブホルダーはLSS研究所がReefOctopusブランドで出しているチューブホルダーです。
3つ穴のホルダーがあればよかったのですが、なぜか2つ穴しかないのでそれを2つ使って固定です。
小さな動物園-ドレン
こんな感じでサンプに固定しました。
ホルダーの下に見えるのが、バイオペレットリアクターに送水するためのニュージェットの水中ポンプです。
一方、コントローラ周りはこんな感じになりました。
小さな動物園-設置後
さて、あとはしばらくマグネシウム濃度とリン酸濃度を測定し、マグネシウムが適正量海水に含まれ、またリン酸が下がっているかを監視するのみです。