今日はいつもと違った内容で行きましょう。
というか、この内容に適切なテーマを作っていなかったというのは、自分でもちょっとびっくり。
さて、今や無線LANは一般家庭でもよくつかわれるようになりました。
特にアパートやマンションのような集合住宅になると、自宅の無線LANにつなぎたいのに、ほかの家庭に設置してある無線LANのSSID(ステーションID)が出てきたり、自分の家よりほかの部屋からの電波のほうが強かったり、あるいは接続できたのに通信速度が遅い、ということがよくあります。
無線LANといっても、IEEE802.11a/b/g/n(IEEE=アイトリプルイーと読みます)という具合に4つの電波帯域があり、それぞれ違った特徴があります。
最近無線LANの親機を買ったならば11nあたりを使っている人もいると思いますが、今日は一般的な11gでお話ししたいと思います。
先ほど、「接続できたのに通信速度が遅い」などといった症状ですが、壁の材質などで電波が弱くなっているという基本的な問題のほかに、「帯域が輻輳(ふくそう)」しているという問題を見落としていることがあります。というか、一般的な方はここまで考えないで使っていることも多いと思います。
輻輳というのは、ある特定の回線に通信が集中してしまうことにより、通信効率が落ちることを言います。テレビショッピングで「電話がつながりにくい時は時間をおいておかけください」とか、年末年始は「あけおめ」メールや電話で電話局のシステムダウンにつながらないよう、通話制限をすることもあります。前者は輻輳そのものですし、後者は輻輳を避けるためあえて通話制限をしている例です。
無線LANといっても、たとえば11gの場合は、通信のための電波帯域(周波数)13個あります。1チャンネルから13チャンネルという具合です。
ただし、テレビやラジコンとは違い、複数の人で同じチャンネルを使ってもすぐには混信しません。それは、通信がデジタル化されているため、自分向けのデータか否かをシステムで判別できるためです(本当はもっと複雑な話があって、周波数ホッピングなど、かなり難しい話が入ってきます。昔ならったのですが忘れてしまいました...)。ただし、やはり同じチャンネルを使う人が増えてくると、そのチャンネルは輻輳状態になって、通信速度が落ちてしまうことがあるのです。
無線LANの親機は、大抵初期設定がチャンネル1になっていて、それを変更しないで使うひとが多いため、余計輻輳状態になってしまうという問題が発生します。
では、空いているチャンネルをさがすにはどのようにすればよいのでしょうか。
このようなときに使うツールとして、inSSIDerというソフトウェアがあります。
このソフトウェアはWindows7/64ビット環境にも対応していますので、多くの方が利用できると思います。
このソフトウェアを起動すると、このような画面になります(画像をクリックしてより鮮明な画質で見てください)。
ちなみに、このソフトは無線LANを内蔵しているPCで起動する必要があります。
画面上半分がinSSIDerを起動したPCで受信した無線LANの基地局に関する情報、下半分が各基地局が占有している帯域(チャンネル)になります。
こうやって見ると、1チャンネルと11チャンネルを使っている人がたくさんいることがわかります。
当然、この2つのチャンネルは通信効率が悪いことがわかります。
逆に、4チャンネルとか9チャンネルあたりは空きがあることもわかります。
このようにして空きチャンネルを探し、親機の設定で通常利用するチャンネルを1チャンネルから別のチャンネルに変更するだけで、通信効率がかなり変わってきます。
ちなみに、効率の良い通信を行うためには、混雑しているチャンネルから3つめのチャンネルを使うとよいことが多いです。1チャンネルであれば4チャンネル、あるいは7チャンネルです。
もし皆さんのご自宅にある無線LANがあまり調子よくない、ということであれば、一度このようなソフトウェアをつかって、空きチャンネルがないかどうか調べてみるとよいと思います。
それだけで、今までとは全く異なる通信スピードを体験することも可能です。
では、今日はこのあたりで。
空いているチャンネルを探せ! – inSSIDer
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