こんばんは。
今日は久々にうさぎのお話です。
うちには今年で6年目になるネザーランドドワーフ♀がいます。
血統書はついてませんが、まさにピーターラビットを彷彿とさせる背格好です。
生まれて1~2ヶ月の状態で販売されていたのですが、ネザーの子ウサギは大人と違い、丸っこい顔をしています。
え、これがうさぎ?って感じです。
さて、うさぎを買うにあたってなにを考えなければならないか。
ケージを置く場所、維持費、ペット保険、世話係等々。
海水魚に保険はありませんが、おおむね海水魚を買うのと同じですね。
水槽を置く場所、維持費、餌やり、コケ掃除、換水...
しかし、うさぎを飼うにあたってもう一つ重要な要素があります。
それは、近所に「うさぎの知識を専門としている獣医がいるかどうか」です。
魚の場合は...飼い主がお医者さんですね。
医学部は、ある程度学年が進んだ時点で専門とする診療科を決めますが、獣医学科は専門というのを作らないそうです(と聞きました。違っていたらすみません)。
犬猫や、いわゆる家畜であれば豊富な知識や経験が積まれていると思いますが、うさぎとなるとほとんど知らない方がいても仕方がないのです。実習でうさぎの解剖をしたことがある獣医は多いと思いますが、診察できるかどうかは別です。
診察できる動物に「うさぎ」と書いてあっても、それは書籍に載っている範囲内での知識であり、経験豊かではない方が大半です。
たとえば、ある病院で「不正咬合だから歯を削る必要がある」と言われたとしても、たいていはセカンドオピニオンを聞くため別の病院にゆくことになると思います。
ちなみに、歯を削るとなると、場合によっては全身麻酔をかける必要があります。
うさぎにとって全身麻酔は、死と隣り合わせの施術です。
本当に不正咬合であれば処置しないといくらチモシーを食べて、かじり木をかじったところで、歯はのび放題です。そのまま放置すると、ほかの歯もかみ合わせも悪くなります。
口はきちんと締まらなくなり、アゴの下は口から漏れたよだれで爛れ、一方十分に食べ物を咀嚼できないので徐々にやせてしまいます。
そうならないためにも、手術は必要となります。
しかし、「不正咬合」という診断が間違い、あるいは適切でなかった場合、余計な負荷をかけることになってしまいます。
そうならないためにも、うさぎを飼う以前に、信頼できる獣医がいるかどうか確認しておく必要があるのです。
今住んでいる地域には、うさぎを責任もって診断できる獣医はいませんでした。
ただ、埼玉にはうさぎを専門的に診断できることで有名な「斎藤動物病院」があり、そこにお世話になっていたので、緊急の時はそこにお世話になるしかないと思っていました。
ちなみに、埼玉県には最近、獣医師会で寄付を募り、動物のための夜間診療所もできたそうです。
さて、うちのうさぎに話を戻すと、6年目に突入するにもかかわらず元気でした。
人間にすると結構いい年なので、さすがに昔ほど鋭敏な走りなどは見せませんが、ある意味マイペースで我が家の中で生活していました。
しかし、野生のうさぎの平均寿命が5歳程度となると、うちのうさぎはそろそろ健康診断を受けさせないといけないなぁ、とそんなことを考えていました。
そんなことを考えているとき、いままで見たことのない仕草を見せたのです。
ケージの中で暴れるように何周か駆け回り、最後は引きつけを起こしたような感じでひっくり返りました。
たまたま僕がいる目の前だったのでよかったのですが、両親だけだったらパニックになっていたかもしれません。
誰が見てもただごとではありません。
すぐにケージを開け、けいれんしているうさぎを抱きかかえます。
いつもならいやがる抱え方をしても、全く反応しません。
まずは、バスタオルを用意して全身をくるみ、目隠しをします。
そして、仰向け(いわゆる「死んだふり」状態)にして落ち着くのを待ちます。
同時に自分の全神経を集中し、呼吸や体温、体の様子に変化がないかどうか確かめます。
ひっくり返して死んだふりしても、たいてい数分で暴れだします。
しかし、今回は抵抗しません。抵抗するだけの気力がないのかもしれません。
体温はいつもと余り変わりません。
しかし、呼吸の仕方が普通と違います。
うさぎは「鳴かない」と言われますが、実際はいろんな鳴き声を出します。
いびきだってかきます。
しかし、今回の泣き方、というか呼吸の仕方は普通ではありません。
口の中に変なものが入っていないか確かめますが、見える範囲では何も入っていないようです。
全身を触った感じだと日常とあまりかわりませんが、おなかをたたくと響いた音がします。
直感的に、消化不良か消化できない物をたべて、それがおなかに詰まっているのではないかと感じ増した。
うさぎの体には、常に食べ物が蓄えられている状態にしておく必要があります。
一日絶食しただけで、命が危険にさらされるのです。
ケージを確かめると、水があまり減っていません。
また、ペレットもほとんど食べず、好物のパパイヤ酵素も半分しかかじっていません。
時計を見ると夜8時。
あと1時間早ければどうにかできたのですが、今夜はこのまま状態を確かめるしかありません。
様子を見ているうちに、少しずつ意識が戻ってきたようで、普通に座れるような状態になりました。
まずは、水を飲ませて見ることにしました。
通常は給水ボトルを使って飲ませるのですが、いまはボトルから飲むほど体力はないはずですので、お皿に水を入れ、口元に近づけます。
飲もうとしたり、あっちを向いたりとしますが、ここは本人の意志に任せてじっと観察します。
しばらくすると水は飲み始めました。
その間、病院を調べてみることにしました。
近所にうさぎを専門的に診断できる病院があればよいのですが、見つかるのでしょうか。
いくつかのキーワードを元に検索すると、近くに専門医がいることがわかりました。
しかも、その病院の獣医は、斎藤動物病院につとめたこともあるとのこと。
そうであれば間違いなく信頼できます。
病院の名前は、「シン・ベット」。
ベットはVetとつづります。Vetとは獣医のこと。正しくはVeterinarian。
Webページは以下のアドレスです。
http://www17.plala.or.jp/shin-vet/
場所は茨城県土浦市。
土浦北インターチェンジから数分の場所です。
次の日は水曜日で、休みとなる病院が多い中、ここは平日は休み無く朝9時から夜8時まで開いています。
まずは、この病院に行くしかありません。
心配は残りますが、うさぎの様子は落ち着いたので明日が来るのを待つことにしました。
翌朝、まずは電話をかけて容態を話しました。
当然のことながら、「一刻も早く診察を受けた方が良い」とのこと。
一応犬猫も診療対象となっているので、できればストレスを受けにくい予約診療の時間に診療できないかたずねたところ、その日は手術が入っているとのこと。
とりあえず、急いでその病院にむかうことにしました。
そのとき、普段生活しているケージも持ってきてほしいと言われました。
ケージの中の様子から生体の様子を推測するみたいです。
病院は比較的新しく、きれいな作りでした。
驚きなのは、酸素室、レントゲン室があるのに加えて、血液分析を病院内でできると言うことです。
もちろん、人間用とは仕様が違うと思いますが、人間がかかる病院でさえ、血液分析は外部に依頼することが多い中、院内で分析できるというのは驚きです。
X線写真を2枚撮影し、しばらく酸素室で高濃度の酸素を吸わせていました。
途中、写真を見せられたのですが、胃袋に相当する部分がふくれている様子が見られました。
人間でいう膨満感でしょうか。
異物らしき物は写真からは見えないが、もしかしたら何か詰まっているのかもしれないとのこと。
うさぎは結腸の直径が小さいため、消化できないも物を食べたらそこで詰まってしまうとのことです。
現状では具体的な病名まではわかりませんが、とりあえず流動食での強制給餌で様子をみることにしました。
注射器の中に薬を入れ、粉末状になったチモシーと混合し、最後に水でときます。
ある程度粘りが出てきたら、注射器の先端を口の脇から差し込み(前歯の両側には一部隙間があります)、それから正面に注射器を移動して、口の中に流動食を押し込みます。
のどの奥に流動食を流すことができれば、あとは自然と胃の中まで入ってゆくようです。
ここ2日、いつもと比べるとかなりおとなしいですが、少しずつチモシーなどもかじり始めています。
まだ油断はできませんが、近くに(高速道路を使えば20分くらい)専門医が居たのは救いでした。
茨城県南は、うさぎを販売している店は多いものの(ただし、「うさぎ専門店」は聞いたことがない)、専門医はいませんでした。
しかし、近所に専門医が開業していることは、心強いことです。
これで、うさぎを飼ってみたいという人がいた時にも、安心して勧められるようになりました。
あとは、うちのうさぎが元気になることを祈るのみです。