どうも先日のレイアウト変更以降、水槽の調子が良くありません。
最初はライブロックなどに溜まったデタトリスが原因によるリン酸値の上昇が原因で一過性のものかとおもっていたのですが、どうも違うような気がしてきました。
いま疑っているのは、ビブリオ菌の異常繁殖です。
そもそもビブリオ菌は海水中の常在菌なのですが、何らかの理由で爆発的に増殖すると、RTN(ミドリイシ類の共肉はがれ、Rapid Tissue Necrosis)などの原因になることがあります。
ビブリオ菌が異常繁殖しているかどうかは、極端な話自分の水槽の海水を飲んでみて、食中毒になるかどうかで試せるような気がするのですが、さすがにそこまでの勇気はありません。
また、ミドリイシ類だけでなく、トサカなどのソフトコーラルも調子が悪いのですが、それがビブリオ菌に由来する物なのかどうかはわかりませんでした。
ただ、色々調べたり考えたりするうちに、ビブリオ菌が異常繁殖しているのではないかという考えが強くなってきました。
では、仮にビブリオ菌が原因だったとして、異常繁殖する理由は何かと考えると、一番大きいのはZEOvitによる炭素源(ZEOstart3あるいはそれ以前の炭素源)の供給だと思います。硝化菌や反硝化菌は炭素源をエネルギーに活動していますが、ビブリオ菌も炭素源をエネルギーとします。
ただ、通常であれば硝化菌類が先に炭素源を食べ尽くすのでビブリオ菌にまで炭素源がまわらないのだと思いますが、過剰投与すると硝化菌類だけでは炭素源を消費できず、ビブリオ菌にその余りがまわってくるのだと思っています。エネルギーを得て活性化したビブリオ菌は、ねずみ算的に増えてゆき、ある点でサンゴ類の耐性をこえる量のビブリオ菌が生じてしまったのではないかと考えています。
では、どうすればいいのか。
一つは、炭素源を断つ、ということだと思います。
ZEOstart3の投与量は一日250ガロンあたり2ml、ざっと換算して1000リットルあたり2mlということですので、一般的は900センチ幅水槽であればおおよそ0.4mlです。
0.4mlというと目薬で2~3滴程度ですが、これほど少ない量を投与するのは困難です。
シリンジ(注射器)などを使い、きちっと測らない限りまず間違いなく過剰投与になると思います。
また、ZEOvitでは、栄養塩が少なくなったあとでは炭素源の投与回数が減りますが、今を思えばビブリオ菌などの異常繁殖を予防するためだと考えられます。
次に、殺菌です。
ビブリオ菌は紫外線にめっぽう弱いということなので、殺菌灯をつけて菌そのものを殺してしまうということです。ZEOvitでは殺菌灯の使用を禁止していますが、雑菌が増えてしまっては意味がありません。
殺菌灯はすでにはずしていますが、まだ保管しているので一時的に復活させるという手があると思います。
最後は、ビブリオ菌を圧倒する数の、いわゆる善玉菌を添加するという方法です。
以前、あまり効果が見られなかったと語ったPMF(Probiotic Marine Formula)を投与することで、善玉菌の数を一時的に増やし、ビブリオ菌の活動を阻害するという方法です。
いずれにしても、原因がハッキリすれば対策もハッキリするのでしょうが、今の段階では水槽をよく観察して対症療法をとるしか無いのが現状です。
一番確実なのは水槽をリセットすることですが、週一の換水をしたものの四ヶ月近くかけて作ってきた
海水を廃棄するのは勇気がいりますし、いくら新鮮とはいえバクテリアの繁殖が十分でない海水でリセットすることは、轍を踏むことになりかねません。
なんとも悩ましいところですが、だからこそやめられないんですよね。
やはり我慢の時なのでしょうか。
補足:
このブログを書いているときに2つ賢くなりました。
一つは対症療法。対処療法(たいしょりょうほう)は誤りで、対症療法(たいしょうりょうほう)が正解です。
もう一つは轍を踏む。二の轍を踏むは誤りで、二の足を踏むと混同されているとのこと。
ちなみに、「轍を踏む」は同じ過ちを犯すことで、「二の足を踏む」は悩んだ末次の策をとれないことのたとえだそうです。