サンプ増設に続き、ちまたで噂のBioPelletを使ってみることにしました。
BioPelletという商品名ではオーストリアのVERTEX社が販売(日本ではLSS研究所が総輸入元)されていますが、バイオペレットという言葉そのものは一般的なもので、Google等で検索してみたらわかるとおり、浄水場などでの汚水浄化目的として使われている製品です。
詳しい成分表がないので推測の閾を出ませんが、BioPelletはいわゆる生分解性プラスチックの一種だと思われます。生分解性プラスチックとは、微生物などが分解することのできるプラスチックで、でんぷん由来のプラスチックが一番流通しているようです。
さて、VERTEXのバイオペレットですが、このバイオペレットを使うことによって水中(淡水、海水問わず)の硝酸塩やリン酸塩を減らすことができるそうです。ZEOvitと同じく、BioPellertの表面にも硝化細菌や反硝化細菌、それにポリリン酸蓄積細菌によるバイオフィルムができるものと推測されています。
本来であればZEOvitのゼオライト鉱石だけでリン酸とアンモニウムイオン、それに硝酸塩の分解が行えるはずなのですが、ここ1ヶ月ちょっとの実験では、硝酸塩はほぼ0になったものの、リン酸塩は0.5ppm近辺を行き来する状態でした。
ポリリン酸蓄積細菌がリン酸を取り込むためには充分な量のマグネシウムとポタシウム(カリウム)が必要なのですが、それらは隔日で添加しており、ZEOvitの推奨量を満たしています。添加なしだと値が減るので、添加したこれらの元素はそれなりに消費されているものだと思われます。
ZEOvitと同じ時期に気になっていたBioPelletですが、ようやく輸入の目処が立ったので早速取り寄せて使ってみることにしました。
今回購入したのは250mlの製品です。
水量は推定200リットルなので、まずは125ml分を使ってみたいと思います。
まずはペレットを軽く洗浄します。
小さな動物園-ペレット洗浄
このように、ペレットそのものは米粒くらいの大きさです。
パスタを数ミリの長さで切断したもの、という表現の方が正確かもしれません。
次に、使用するリアクタの選定です。
一応専用リアクタがあるのですが、残念ながらまだ発売されていないこと、また直接海外からペレットを購入した人の話を読む限り、ペレットの流動性が保たれれば良さそうなので、今回はTwo Little FishesのPhosBan Reactorを使うことにしました。
小さな動物園-リアクタ
PhosBan Reactor本体です。
作りは簡単で、中央のパイプで底面まで水を送り込み、底から吹き上げさせることでメディアを流動させる仕組みです。
PhosBan Reactorはその名の通り、リン酸塩吸着剤を入れて使うリアクタですが、今回は代わりにBioPelletを入れてみることにします。
小さな動物園-充填中
充填中です。
洗ったBioPelletは手やリアクタ内部にくっつきやすいので、さじのような道具を使って充填した方が作業が楽だと思います。
またそのとき、リアクタの底部に敷くスポンジがきちんとリアクタの底面に設置しているかどうか確認した方が面倒なことにならずによいかと思います。
小さな動物園-MJ900
水を送水するポンプには、まずはマキシジェットのMJ-900を使ってみました。
水中ポンプとしては定番の製品ですね。
なぜ900なのかと言いますと、単に中古市で見つけたポンプがMJ-900だったというだけです。
MJシリーズには内径12ミリのホースがぴったりと合います。
小さな動物園-ホース接続
このホースをリアクタの給水部に取り付け、吐き出し側をホース経由で先日増設したポンプに送ります。
今調べたらMJ-900という製品は廃盤になっているようですが、MJ-100のデータシートを見る限り、毎時2100リットル前後の送水能力を持っていると思われます。分あたりで35リットルですね。
ポンプを水中に設置し、いざ動かしてみたところ...うまくペレットが回ってくれません。
最初は固まっていて回りにくいこともあるようなので、リアクタを振ってほぐしたりしてみたのですが、MJ-900の水量では力不足のようです。
身の回りにより強力なポンプがないかと探してみたところ...ありました。
先日H&SのHS-850と入れ替えになったInstant OceanのSkimm 800 に附属している水中ポンプです。
普段はエンペラの手前で空気を取り込むことによって泡を生成させるようになっていますが、空気を取り込むホースをとりはずせば水中ポンプとして使用できます(もちろん、通常のエンペラに比べると力不足ですが)。
ただ、このポンプはホース内径が16ミリのため、そのままでは使うことができません。
しかし幸いなことに、水中ポンプのホース取り付け口が例のRp1/2でネジが切ってあるニップルだったため、手持ちの12ミリ径ホース用のニップルと交換することで対処できました。
電源を入れてみると...最初はぎこちないものの、きちんとメディアが流動しています。

ペレット上にバイオフィルムが生成されるまで1~2週間ほどかかると言うことなので、引き続きデータの計測を行うことで成果を確かめてみたいと思います。