明日は午後から台風の予定です。
出身地が長崎ということもあり、台風はどちらかというとわくわくするイベントなのですが、関東の家には雨戸があまり取り付けられていないのには困ってます。
最近は防犯目的で雨戸を付ける家が多くなりましたが、アパート、賃貸マンションで雨戸なしは普通です。
なんで雨戸が必要なのかというと、台風で物が飛んできたときに雨戸が一次被害(つまり、ガラスの破損)を軽減してくれるからです。
長崎あたりを通過する台風はいずれも勢力が強く、瓦なんて簡単にとんでいってしまいますし、時にはカーポートも壊れるほど強力です。家の中でたった姿勢でバランスを取っていると、家が風の勢いでしなっているのがわかるときもあります。それくらい強力なんです。
なので、雨戸が欠かせません。
以前、近所の家から瓦が飛んできたことがあるのですが、雨戸のおかげで瓦は雨戸を貫通せず、ガラスだけが割れて助かったことがありました。
関東に来る台風はたいてい貧弱なものが多いですが、今回の台風が一度も上陸することなく関東を直撃すると、結構痛い目にあうような気がします。
でも、やっぱりわくわくするイベントなんですよね。
なぜかって、やはり物が飛んで行ったり、壊れる瞬間を見られるからですね。
アメリカで竜巻を追っている人がいるのとおなじ感じでしょうか。
もちろん、人への被害は困りますよ。あくまでも保険で補償される範囲での荒れ方が好きです。
ところで、台風で吹く風はある程度法則があるので、家にある4つの窓のうちどれか1つは開けても大丈夫なことがあるのですが、皆さんご存じでしょうか。台風の目に近いほど、この兆候が強くなります。なので、台風の時は進行状況を確認しながら、雨戸と窓を一ヶ所だけ開けて外を良く観察指定タモのです。
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話を本題に戻しましょう。
先週末、サンプの増設工事を行いました。
理由は単純で、MMC企画が販売するオルカシリーズの濾過槽には、独H&SのプロテインスキマーHS-850とLSS研究所がReef Octopusブランドで販売しているZEOvitリアクタZF-120の両方を入れることができないためです。
当初は、サンプそのものを大きくすることを考えていました。
しかし、サンプの奥行きは400ミリであり、効率よくアクリル板を使用できる450ミリの水槽と比較すると、在庫は皆無に等しい状態です。
サンプを特注する方法をありますが、通常の納期である2週間は待てそうな気がしません。
そこで、ZEOvitリアクタが入るサイズの小型アクリル水槽を購入し、現在のサンプと連結して使うことにしました。
まずは、スキマーを交換する前の写真から。
小さな動物園-以前
サンプ全体が入っていないのでわかりにくいですが、貯水部にNAPQOのスキマーSkimm800とZEOvitリアクターが入っています。
Skimm800も性能としては悪くはないのですが、泡立ちが悪いこととサンプ内の水位によっては泡の上面がカップに届かないことがあり、ちょっと不満を抱いていました。
そのとき、丁度H&Sのスキマーが安くなることを知ったことも重なって、HS-850を購入してしまいました。ベルリンでも800リットル対応なので、スキミング能力は充分です。
しかし、HS-850はそれなりに大きいので、これかZEOvitリアクタのどちらかしかサンプに入れることができません。
小さな動物園-増設前
HS-850をサンプに入れるとこんな感じです。
ZEOvitリアクタのZF-120だとかなり余裕が出ますが、増設サンプを大きくする必要があること、またZF-120を通る海水はなるべく綺麗な海水にしたいこともあり、増設サンプ側にZF-120をおくことにしました。
小さな動物園-サンプとZEOvitリアクタ
サンプとして購入したアクリル水槽とZEOvitリアクタです。
水槽は350×200×350です。
現在のサンプと並べておくと、透明度があまりにも違うので愕然としてしまいます。
というか、水槽をサンプ代わりに使うのがもったいないくらいです。
次に、サンプの加工に入ります。
あらかじめ、マグネットポンプにつなげているパイプの位置を計測し、中心となる位置を確認します。
次に、旧サンプと新サンプをつなげるソケットを取り付けるための穴開けを行います。
小さな動物園-ドリル刃
開ける穴の大きさが10ミリを超えるので、平たい形をしたドリル刃を使います。
本来、このドリル刃は木工用ですが、アクリルでも使えます。
というか、100均で買えるのでこれにしました。
正攻法としてはホールソーという特殊なドリル刃を使うのですが、こいつは数千円しますので却下です。
小さな動物園-穴開け中
穴開けです。
アクリルに穴を開ける場合には、まず2ミリ位の、径の小さいドリル刃で下穴を開けます。
その後、下穴を広げる形で大きい穴を開けます。
アクリルは堅くて割れやすく、また加工部が熱を持つので、ゆっくりと加工します。
ドリル刃をちょっと押しつけては放し、再度押しつけては放しの繰り返しです。
特に貫通直前が一番割れやすいので、慎重に作業します。
小さな動物園-穴開け完了
穴開けが無事完了しました。
新サンプには2ヶ所穴をあけます。
次に開けた穴にネジを切ります。
開けた穴に塩ビ管を通し、隙間をコーキングする方法もありますが、強度や水漏れのことを考えるとあまりお勧めできません。
穴を開け、水栓ソケット(雌ねじ)とバルブソケット(バルソケ、雄ねじ)で挟み込む方法もありますが、ソケットの長さ分、水槽の中が狭くなります。また、締め付けとコーキングが充分でなければ、やはり水漏れの危険性があります。
したがって、最近はなるべくネジを切って、そこにバルソケをねじ込むことで水漏れの危険性を少なくし、かつ頑丈な取り付けを行っています。
小さな動物園-タップ箱
呼び径が13と16のバルソケは、R1/2と呼ばれている規格でねじ山が切られています。
従って、ネジを切る道具もR1/2に対応したものを使います。
本来、下穴は18.5ミリなのですが、19ミリでごまかしています。
小さな動物園-タップ
箱の中身です。タップと呼ばれているものです。
タップは写真のように、ネジを切る部分と切りかすを逃がす部分、それにタップ用レンチに挟む部分からできています。
ねじ山は小さめの径から少しずつ大きくなっています。
ちなみに、雄ねじを作る工具はダイスと呼ばれています。
小さな動物園-ネジ切り中
ネジを切っている最中です。
ねじ切りで一番難しいのは、最初の1/4です。
最初は先ほども書いたとおり、径が小さくなっています。
従って、常にタップが穴に対して垂直になっているかどうか確認しながら穴開けを行わないと、開けた穴が斜めになってしまいます。
また、タップは1/2回転させたあと、1/4回転戻すという動作を繰り返します。
一気にまわすと、アクリルのような材料は簡単に割れてしまいますし、金属であればネジが食い込んでしまい、タップが戻らなくなってしまいます。
小さな動物園-コーキング
穴開けが終了したら、バルソケをねじ込み、念のためコーキング剤で防水加工を行います。
コーキング剤にも色々ありますが、必ず「水槽用」と書かれたものを使ってください。
さて、コーキング剤が必要最低限の堅さまで乾くのに24時間ほどかかりますので、次の日まで放置します。
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次の日は、まず殺菌灯を外す作業から行いました。
ZEOvitでは、バクテリアを殺さないように殺菌灯の使用を禁止しています。
それでも、魚の病気が心配なので万が一に備えて殺菌灯は取り付けたままにしておいたのですが、この2ヶ月で白点等の病気が一切発生しなかったため、この機会に取り外します。
次に新しいサンプと古いサンプを連結します。
古いサンプ側の塩ビはぬれていることがあるので、良く拭きます。
ぬれたままだと接着能力が著しく落ちるので要注意です。
次に、ホース配管を行います。
ホースを取り付ける部分にはニップル(タケノコ)と呼ばれる部品を取り付けていますが、水漏れを防ぐため、ホースの内径よりわずかに大きくなっています。
そのため、ホースをスムーズに取り付けることができません。
小さな動物園-火あぶり
ニップルなどにホースをスムーズに取り付ける方法の一つが火あぶりです。
ライターで10秒ほどまんべんなく暖めると、ホースを楽に取り付けることができます。
言うまでもなく、ホースの材質によっては溶けたり、有毒ガスが発生することもありますので、事前にチェックしてください。
小さな動物園-ホース接合部
ホース取り付け部です。
念のため、ホースバンドで締め付けておきます。
締め付けですが、あまり強く締め付けるとニップルが割れてしまいますので、充分気をつけて締め付けてください。
小さな動物園-増設後
以上で増設終了です。
2つのサンプが塩ビ管で直結されているほか、HS-850からの排水はがZEOvitリアクタ側のサンプに直接流れ込むようにしています。
あとは、これまで以上に各種パラメータが落ち着いてくれるのを祈るだけです。
つづく。