今日もいつもとは違ったネタで。
つい先日、スカイマークエアラインが以下のようなプレスリリースを出しました。
~2010年12月16日就航~
新路線「羽田-長崎線(経由便)」「神戸-長崎線」の就航について

僕の出身は長崎なので、ついこのような記事には目がいってしまうのですが、ここで面白いことに気付きました。
一つは、羽田-長崎間が経由便であること。
つまり、スカイマークを使って長崎から羽田に行く人は、一旦神戸空港に寄らなければならないということです。
テクニカルランディング(給油を目的とした着陸)ではないですし、神戸から乗る人の事を考えると機内清掃も必要でしょうから、おそらく一旦飛行機から降りることになると思います。
よく調べると、神戸経由便は羽田-長崎間だけではなく、鹿児島、熊本を起点とした便も神戸経由便になるようです。
話は一旦脱線しますが、テクニカルランディングといえば、2007年頃、ANAが成田からインドまで全席ビジネスクラスの飛行機を飛ばす際、インドからの帰り便は偏西風の影響で成田まで燃料が持たないという理由で長崎空港にテクニカルランディングしています(現在はどうなのでしょうか?)。もちろん、給油が主目的なので飛行機から降りることはできません。
もう一つは、茨城-神戸便があることです。
そして、この二つから思ったのは、
スカイマークは神戸空港をハブ空港として、低価格な国際路線との連携を図ろうとしている可能性です。
神戸からスカイマークが就航(を検討)している路線は、北から新千歳(北海道)、茨城、羽田、長崎、熊本、鹿児島それに沖縄です。
一方、茨城空港にはソウルと上海からの定期便が運航していますし、近いうちにシンガポールに拠点を置くエアアジアも茨城空港への就航を予定しています。
ここで、中国だけに絞ってみると、神戸空港からスカイマークが就航している都市はおおむね中国人に人気のある観光スポットだということです。
北海道は、中国国内で北海道をメインにした映画がヒットし、その影響で観光客が多く訪れるといいます。
長崎にあるハウステンボスは中国人にも人気があるそうですし、温泉にも興味のある中国人には、有名な温泉どころがたくさんある長崎や熊本、鹿児島は興味を惹かれる場所なのではないでしょうか。
いわゆる富裕層は、目的地まで定期便やチャーター便を使って訪れるでしょう。
しかし、富裕層ではなくともそれなりに所得を得た人たちは、多少の乗り換えは我慢してでも、安く目的地に着く方法を選択することでしょう。
そうすると、上海から茨城までは春秋航空の定期便で、そこから先の移動は一旦神戸まで戻り、そこから再び目的地を目指す。
そのような可能性を、スカイマークは描いているのではないかと思います。
しかしながら現時点では、春秋航空のダイヤとスカイマークのダイヤは連携しておらず、中国から日本に着いても茨城で一泊しなければスカイマークのハブ空港となる神戸に行くことができません。もちろん、関東、とくに関東北部に住む人にとっては、神戸経由になるにしても主要な目的地に格安でゆける点は注目に値すると思います。時間的デメリットを承知で茨城-神戸間を利用する人が増えれば、一日の就航数も増えるでしょうし、そうなれば海外便との接続もより便利になるのではないでしょうか。
茨城空港は航空自衛隊との官民共用空港であり、それだけに就航できる航空会社や時間帯が制限される問題がありますが、うまく解決できれば今までとは違った空の旅を楽しめるかもしれません。