今回は、MAX-S XP-G 230W クリー社モデルの照明パターンについて紹介したいと思います。
XP-G(クリー社LED採用モデル)に搭載されているLEDは
15W青色 5個
Cree XP-G(3W) 40個
3W青色 8個
3WUV400nm 8個
となります。XP-Gモデルでは、点灯パターンを4つに分類し、グループごとに点灯するLEDを下記の通りに設定してあります。
1.青色15W点灯(5個)
2.白色3W点灯
3.白・UV3W点灯
4.白・青3W点灯
残念ながら、各グループにおける点灯するLEDの変更といった細かい作業は行えませんが、LED素子を交換すれば望みの色が実現できます。また、点灯開始時間と終了時間はパターンごとに設定できます。ただし、設定できる時間は各パターン1つのみです。
さて、全消灯を含めると、点灯グループは16パターンとなります。
通常は1.→2.→3.→4.という具合に点灯してゆくのですが、今回この15グループすべてでどんな色味になるのか試してみたいと思います。
撮影条件です。
Canon EOS Kiss X2 標準16-55mmレンズ、シャッタースピード1/60, 絞りF=6.3、AWBです。
ただし、再現される色味は当然のことながら皆さんのディスプレイ設定により異なりますのでその点にご注意ください。
では、早速グループ別の映像をどうぞ。
15W青色 5個+Cree XP-G(3W) 40個+3W青色 8個+3WUV400nm 8個
小さな動物園-1
全部点灯させた状態です。細部まで明るく照らされています。色温度は計測できませんが、さわやかな白(青味のある15,000ケルビン程度)といった感じです。
15W青色 5個+Cree XP-G(3W) 40個+3W青色 8個
小さな動物園-2
前者からUVだけを消したパターンです。あまり違いはわかりませんね。
しかし、強い蛍光色を持つサンゴがあれば、肉眼で見るとその違いがわかるかもしれません。
15W青色 5個+Cree XP-G(3W) 40個+ 3WUV400nm 8個
小さな動物園-3
3WのLEDを消して、UVをつけたパターンです。全体的に少し暗くなっていますが、蛍光色を持つサンゴは前者と比較しても明るい感じがします。
15W青色 5個+Cree XP-G(3W) 40個
小さな動物園-4
さらにUVを消したパターンです。
前者より暗くなっているような感じがしますが、砂底のように蛍光色が無い部分を見てみると、明るさはあまり変わっていないことがわかります。
15W青色 5個+ 3W青色 8個+3WUV400nm 8個
小さな動物園-5
青2種類とUVのみです。
詳しいデータは持ち合わせていませんが、青だけでこれだけ明るいのであれば、もしかしたら3W青玉の色温度は低めなのかもしれません。
15W青色 5個+ 3W青色 8個
小さな動物園-6
UVなしです。よく見ないと違いがわかりません。
15W青色 5個+ 3WUV400nm 8個
小さな動物園-7
15W青とUVです。結構明るいですね。
15W青色 5個
小さな動物園-8
XP-Gで一番暗いモードです。
かなり渋い青になりますが、肉眼でみると割合すっきりとした青に見えます。
Cree XP-G(3W) 40個+3W青色 8個+3WUV400nm 8個
小さな動物園-9
15Wの青がない状態です。色温度が低いですが、そんなに悪い感じはしません。
Cree XP-G(3W) 40個+3W青色 8個
小さな動物園-10
UV抜きです。実際はUV+白なので、全体的に白色が少なくなった感じです。
ただし、UVと一緒に点灯するLEDはCREEではないため、色温度が多少違うようです。
前者と比べると、さらに色温度が低くなっています。6500ケルビンといった感じですね。
かなり暖かみのある色ですが、低ケルビン数のメタハラや蛍光灯にありがちな「すっきりしない白」という感じではなく、これもありかな、という感じの色味です。
Cree XP-G(3W) 40個+ 3WUV400nm 8個
小さな動物園-11
3Wの青玉が抜けました。かなり暗くなってきましたが、カメラで撮影したときのハレーション(色飛び)が無くなってきて、むしろ個々のサンゴの輪郭がよくわかる状態です。もちろん、ホワイトバランスをきちんと設定すれば、ハレーションはおきないハズです...
Cree XP-G(3W) 40個
小さな動物園-12
CREEの白玉だけです。前者より少し明るめですね。
CREEの白は少し色温度が低い印象がありますが、この色も悪くはありませんね。
陰の部分まで光が回り込まなくなってしまいますが、ディテールを伝えるならこのパターンはよいかもしれません。
3W青色 8個+3WUV400nm 8個
小さな動物園-13
UVと青玉です。ここでXP-G本体を見ていただくと、紫色に光っているLEDを発見できるかと思いますが、これがUV玉です。
3W青色 8個
小さな動物園-14
3Wの青玉です。実際は白玉も混じるので、予想に反して明るめの深い青といった感じです。
シャッタースピードを早くしすぎた感じの色味ですね。
3WUV400nm 8個
小さな動物園-15
UVのみです。実際は白も光ります。前者より明るい、以外のコメントのつけようがないですね...
今回の写真はPicasaのWebアルバムにアップロードしました。
高画質モードで置いていますので、詳しく比較したい方はご自由にご覧ください。
URLは
http://picasaweb.google.co.jp/108570312917990184739/XPG?authkey=Gv1sRgCPvb-9OFnL6wtAE#
です。
本当はこれらの照明パターンを自由に組み合わせられれば良いのですが、現状ではそれはできないようです。
また、朝や夕方は太陽光線から青みが抜ける(なので夕焼けは赤い)ので、色温度を低くしたいのですが、そのためには青色の点灯を一時中止しなければなりません。しかし、それも難しいです。
しかし、もしかしたらこの制約の中でおもしろい点灯パターンが思いつくかもしれませんし、グループごとのLEDの配色はカスタマイズ可能なので、より自然に近い色の再現も可能になってくるかもしれません。
次回は、主な点灯パターンにおける照度(明るさ)の比較について考察してみたいと思います。