【はじめに】
今回の報告は、具体的な採取場所の記入はいたしません。理由としては、採取すると違法になる生物が豊富に存在すること、また下山の途中の道が険しく、落石があるからです。ただし、僕のブログを定期的に見ていただいていて、コメントもいただいている方にはお教えすることも考えますので、その際はメッセージで連絡してきてください。

沖縄出張の初日、移動日ということで多少の休暇が取れましたので磯採取してきました。しかも、飛行機が11時に那覇に着き、干潮時刻が12時15分。大潮まで3日ありますが、潮の引き加減としては申し分ありません。これは、磯を見に行けと言われているようなものです。
レンタカーはすでに手配済みなので、急いでレンタカーの送迎バス待合所に行き借りる手続きへ。今回は日産のキューブでした。
幸い、ナビが自宅の車と同じなので、目的地の設定は一発。昼食も空港の売店で購入済み。
諸手続を終えると、一目散に目的地へ向かいました。
目的地へは12時15分ぴったりに到着。
この場所に来るのは2度目ですが、前回(2009年5月15日)は潮が満ちているときでした。
小さな動物園-前回
しかも、このときはまだ海水魚をやっていなかったので、タイドプールで磯採取なんて思いもしませんでした。
で、今回の様子。
干潮から2時間経過しずいぶんと潮が満ちてますが、あちらこちらにタイドプールがあるのがわかるかと思います。
小さな動物園-岸壁
拡大するとこんか感じです。
小さな動物園-磯採取
貴重な時間を逃さないため、干潮時の写真は撮影していませんが、沖合50メートルほどに伸びる平坦な磯です。
ただし、長崎のビーチロックとは異なり、基本的に珊瑚礁あとなので、海底はかなり険しい状態です。
確実に滑り止めが効く靴と全身のプロテクトは必要です。
僕は半ズボンに半袖でしたが、できれば長ズボン長袖、手には軍手をした方がよいでしょう。
まず、全体的な感想を。
ここの潮だまりは2種類あります。
水深数センチの潮だまりと、水深1メートルを超す潮だまりがあります。
浅い潮だまりには、基本的にヤドカリやハゼ類しか発見できません。
魚を狙うには、深い潮だまりを狙う必要があります。
深い潮だまりには、ルリスズメダイ、イソスズメダイ、ロイヤルグラマーといったスズメダイやニセスズメダイ系の魚がうようよしています。しかし、自宅から持ってきた網はすべて小型のもの。
これらを採取するにはいわゆる「タモ」が必要です。
途中、ホームセンターで購入すればよかったのですが、そこまで思いつきもしませんでした。
それだけが非常に悔やまれます。
タイドプールにどっぷりつかり、これらの魚の捕獲を試みましたが、1時間格闘しても全くとらえることができませんでした。
長い柄付きのタモだったら岩陰から捕獲できたかもしれません。
しかし、水上から観察すると、これらの多くが成魚で、体長が10センチは超えています。
仮に採取できたとしても、水槽での飼育は難しかったかもしれません。
磯全体を丁寧に見渡すと、ほかにもいろいろな生物を見つけられます。
まず、一番多かったのがキクメイシ。お店で販売されているような緑色のキクメイシはありませんでしたが、直径30センチオーバーのキクメイシがあちらこちらに存在していました。沖合の方では、ユビ系の天然ミドリイシが何か所にも生息していました。天然ものは茶色いといわれますが、確かに茶色でした。
念のためミドリイシ表面を触ってみると粘性の液体を出していたので、生きていることには間違いありません。
ほかにはハマサンゴやシコロサンゴを見つけることができました。
ただし、これらのハードコーラルは採取厳禁です。
採取するにもノミと金づちが必要ですので、素人にはまず無理ですし、自然破壊になってしまいます。
ここはぐっと気持ちを抑えて、観察するだけにとどめましょう。
ちなみに、ハタゴイソギンは見つかりませんでした。
ハタゴがいれば、クマノミだけでもお持ち帰りできたのかもしれません。
前後しましたが、今回の磯採取で準備したのは以下の商品です。
1)パッキング袋と輪ゴム
2)小さい捕獲網2種類
3)酸素を出す石12時間用
4)アム・リムーブ
3)の酸素を出す石は、目にしたことがある方も多いと思います。
海水に付けると酸素を出してくれます。
昔は1週間用しかありませんでしたが、最近は12時間用というのがあるそうです。
ちなみに、航空機に酸素ボンベを持ち込むことはできません。
酸素ボンベを沖縄で調達することは難しくありませんが、酸素を出す石の方が楽だと思います。
4)のアム・リムーブはアンモニアの吸着剤です。
チャームで生体を購入したことがある方はご存じかと思いますが、パッキング袋にアム・リムーブが入っています。
潮だまりの水は以外に汚れているため(潮だまりによっては水の流れが原因でプロテインスキマーになっている場所もあります)、魚への負担を減らすためにパッキング袋にはアム・リムーブを入れてみました。
また、捕獲できたのは3種類の魚と無脊椎。
赤いハゼとキュウセンの幼魚、それにマガキです。
ハゼのような底物であればまだたくさん捕獲できたのですが、もううちの水槽にはこれ以上入れることができないので、底物の捕獲は止めました。キュウセンについては小さすぎて判別が難しいので、帰宅後詳しく調べてみます。
さて、採取した魚をどうやってキープするか疑問の方も多いと思います。
僕がとった手段は、行きつけのコーラルタウン充てに送りました。磯採取終了後、途中で見つけたホームセンターで保温発砲スチロールを購入し、底にパッキング袋と緩衝材かわりに磯採取で使った道具を入れました。
那覇空港のすぐ近くにヤマト運輸がありましたので、航空便・常温指定で発送しました。
本来は生体は扱ってくれないのですが、死着承知であれば引き受けてくれます。
明日、明後日も時間があれば今度はタモを購入して採取したいところですが、今回は仕事がメインなのでこれで終わりです。
魚を採取できなかったのは残念ですが、自然界で泳いでいる姿を見られただけでも貴重な体験だったと思います。
写真も撮りたかったのですが、あまりにも磯が険しいため、カメラをもって降りることは断念しました。期待していた方、ごめんなさい。
以上、沖縄の磯採取報告でした。