テレビを見ているといま何月だかわからないような天候ですね。
車のタイヤも、いまだスタッドレスです。
もう4シーズン目なので、そのまましばらく履き続けて廃棄する予定です。
ただ、普段の日のスタッドレスは制動距離と運転の安定性に欠けるので、より慎重に運転する必要がありますね。
さて、90センチOF水槽につかったMMC企画オリジナル水槽の ORCA 90 フル水槽ですが、最近検索や個人的な問い合わせが多いので、ここで一度個人的な感想をまとめておきたいと思います。
まず結論から言うと、非常にクオリティの高い水槽セットだと思います。
キャビネットが弱いという指摘もあり、たしかに集成材による問題点も見受けられますが、だからといってキャビネットがゆがんで扉が閉まらないなどのトラブルは皆無です。
90フルセットは定価で12万ですが、ほかの水槽セットと比べると決して高くないと思います。
むしろ、OF水槽を初めて手がける人にもかなり親切に設計されていると思います。
OF水槽の経験が浅い上、展示品を難癖つけて安く買い取った身としてはあまり大きな声では言えませんが、30センチハイタイプフルセットから60センチフルセットまで、すべて直に商品を見て、ショップの方の感想を聞いていますので、発言しています。もちろん、反論もあると思いますが、コメント大歓迎ですので遠慮なく質問してください。
まずは、良い点から述べていきたいと思います。
1)ガラス水槽の質がとても良い
ORCAすべてのラインナップにおいて、ガラス水槽が一番高価です。定価でみても、セットの半分をガラス水槽が価格の半分を占めます。
しかし、ブラックシリコンを用いた接合、丁寧な面取り(ガラスの角を1ミリ程度カットすること)、透明度どれをとっても満足のゆく仕上がりです。
アクリル水槽では素材の質を指摘する声が大きいですが、なぜかガラス水槽はあまりそういった声は聞かれません。
実は、ガラスよりもアクリルの方が透明度では勝っており、水槽として適切なのですが(各地の水族館でアクリルが用いられていることがその証拠)、無条件にガラスの方が良いという話をよく耳にします。
ガラスには、以外な弱点があります。それは、ガラスはアモルファスである、ということです。簡単にいうと、時間の経過とともにひずみが生じるということです。
よく、古い建物のガラスをみるとでこぼこしているのを見かけますが、それはガラスが完全な結晶ではない、ということです。つまり、時間の経過とともにガラスの成分(主に珪酸塩)が重力に負けてしまうためです。
また、安物のガラスは厚みが均一でなく、ほんのわずかですがでこぼこしていることがあります。
しかし、ORCAで使われているガラスは非常に品質が良いようで、一度このガラス水槽をみるとほかのガラス水槽が安物に見えてしまうくらいです。
2)組み立てに必要なものがそろっている
オーバーフロー水槽を自作する上で問題となるのは、配管を自分でおこなわなければならない点です。そのために塩ビ配管を自分で購入し、のこぎりや専用カッターをつかって必要な長さに切りそろえる必要があります。
その点、ORCAのフルセットは、始めから塩ビ管を必要な長さでカットしてありますので、あとは塩ビ用接着剤(300円位)と、フロー管のところの水漏れを防ぐためのシール剤(バスコークなど。これも300円位)さえ追加で買えばほかに必要な工具はありません。
揚水ポンプをマグネットポンプにする場合はひと加工必要ですが、水中ポンプでも良いというのであれば、追加加工すら必要としません。
ある程度DIYに親しんだひとであれば、組み立てに半日、バスコークの乾燥に24時間、バスコークのあく取りのための空回しに2日間で完成です。
つまり、土曜に組み立てを行い、日曜の夜に水を張り、数日空回ししておけば、次の土曜には海水を張れるということです。
3)インテリア性が高い
色は白と黒の二色しかありませんが、キャビネットの塗装などとてもきれいに仕上がっており、また取っ手部分はアルミニウムを採用、ドアのヒンジは水平を出せる高級なヒンジを使っているので、既に家においている高級家具と比較しても見劣りすることはありません。
4)サンプの容量が大きい
これは特に60シリーズに言えることですが、サンプの容量が大きいため、全体の水量を十分にとることができます。また、ウールボックスは固定されていないため、ウエット式、ベルリン式両方の濾過方式を選択することが可能です。
では、欠点としてあげるとすればなにがあるでしょうか。
1)ホームセンターに一度は足を運ぶ必要がある
塩ビ管など、必要な長さに最初から切りそろえてあり、いつでも組み立てに取りかかれる状態ではありますが、接着剤の購入など、一度はホームセンターに足を運ぶ必要があります。
どうせなら、塩ビ接着剤、バスコーク、贅沢をいえばシールテープの3つを始めから同梱し、持ち帰ったその日に組み立てられるようにしてほしいと思います。
2)キャビネット内にクーラーを設置できない
90シリーズだと問題ありませんが、ほかのシリーズだとクーラーをキャビネット内に設置できない場合があります。30シリーズはまず無理です。ほかのシリーズもマグネットポンプを選ぶか、水中ポンプにするかでクーラー設置の可否が分かれてしまいます。この点はショップで現物をよく確認し、それぞれのメリット・デメリットを認識しておく必要があります。マグネットポンプを使うと、クーラーはキャビネットの外に配置することになるケースが大半です。
マグネットポンプはサンプの外にポンプを置く方法ですが、サンプに穴を開ける必要があります。穴あけ自身は慎重に行えば難しいことではありませんが、ドリル、ホールソーなどの工具といくつかの塩ビ配管などが必要です。また、水中ポンプよりも高価です。
メリットとしては、ポンプがサンプの外側になるため、モータの回転熱によるサンプ内温度の上昇を防げる、運転音がとても静か、構造上ホース類のつなぎ目を除いて水漏れを起こす要因が全く存在せず、またほぼメンテナンスフリーです。
水中ポンプのメリットとデメリットは、マグネットポンプのそれと逆になります。
マグネットポンプにないデメリットとして、水中ポンプは負荷がかかったときの騒音がうるさいという点があります。
3)塗装がはげやすい
これはブラックの場合ですが、ちょっとした衝撃で塗装がはげてしまい、下地の白い塗装が見えてしまうことがあります。僕の場合はマジックで塗ってしまいますが...これは是非改善してほしいですね。
4)集成材独自の問題
キャビネットは、切断面から判断するに集成材を用いています。
集成材そのものは一般的に使われており問題は無いのですが、剥げた塗装面から水分がしみこむと膨張しその部分が崩れてしまうことがあります。この点は無垢材(切断した木を使った1本の板)を組み合わせて作ったキャビネットが有利ですが、組み立て時にキャビネットの角をどこかにぶつけないようにすれば大丈夫でしょう。
以上、実際に使った感想と、以前の「大人の職業体験」で感じた感想を書いてみました。
総合的に評価すれば、良い製品だと思います。
キャビネットの組み立ても、IKEAの家具を作れれば問題なく完成できます。
もちろん、水槽はORCAで、キャビネットは他社製品や自作という選択肢もあります。
いずれにしても、皆さんが製品を選ぶ際の参考になればと思います。
$小さな動物園-水槽縦
自宅のオルカ90フルセット+改造版。はじめてのOF水槽ですが、かなり手を加えています。