12月16日、「やっぱりpHショック!」で触れた、作りたての人工海水なのにpHが7.8になってしまう件について、結論がでましたのでご紹介します。
結論を先にいいますと、「ポリタンク内に前回つくった人工海水の塩分(あるいは、その他化合物)が残っていた」と言うことでした。残っている成分がなにかわかりませんが、たとえばマグネシウムみたいなものであれば、作りたての海水であっても、いつかはイオンバランスが崩れるのは当たり前ですね。
検証は、以下の手順で行いました。
1.浄水器の確認

まずは、浄水器の各種パラメータについて検証しました。検証するのは、残留塩素とTDS値です。
これらについては
精製水のTDS値は1未満
精製水、排水ともに残留塩素は0ppm
ということで、問題なしでした。
2.ペットボトルでの人工海水作成

次に、2リットルのペットボトルで人工海水をつくってみました。
なぜペットボトルかというと、手頃な大きさであること、湯煎で25度にするのにちょうど良い大きさであること、それに飲料用なので、変な物質が溶け出すことがまず無いことです。
人工海水として、インスタントオーシャンを使いました。
途中経過は省きますが、できあがった海水のpHは8.2と、期待する値通りでした。
個々である仮説がたちました。それは「ポリ缶が汚れているのではないか」という点です。
3.10リットル飲料用ポリ缶での人工海水作成

次に、割合最近購入した、10リットル飲料用ポリ缶で人工海水をつくってみました。
その前に、ポリ缶にRO/DI水を500ccほど入れ、蓋をして、思いっきりシェイクしました。
その後、シェイクした水のRDS値を計ってみました。
1回目:100ppm
2回目:8ppm
3回目:1ppm
100TDSというと、水道水よりは綺麗ですが、やはり何らかの物質がポリ缶に残っていることを示しています。
幸い、三回目のシェイクで許容値にまで落ちたので、そこで人工海水をつくりました。
結果はpH8.2。やはり、溶け残りがpHを低く保つバッファ成分として働いたんでしょうね。綺麗に洗ったポリ缶だと正しい値が出ました。
3.18リットル灯油用ポリ缶での人工海水作成

次に、18リットルポリ缶での人工海水作成です。灯油用ですが、最初から人工海水作成用として使っています。
洗浄結果は
1回目:測定不能(1000ppm以上)
2回目:470ppm
ここで、RO/DI水では歯が立たないと悟り、クエン酸を使って洗浄することにしました。
ポリ缶に、50℃ほどのお湯とクエン酸を入れます。そして、何度も何度もシェイクします。何回シェイクしたかわかりませんが、とにかくシェイクします。その後、クエン酸溶液を捨て、水道水で数回洗浄した後、RO/DI水ですすぎました。
3回目:14ppm → クエン酸の効果てきめん
4回目:4ppm
最終的に1ppmにはなりませんでしたが、とりあえずこの状態で人工海水をつくってみることにしました。
結果は、やはりpH8.2。
4.結論

結論は、「高級な塩を使うなら、人工海水作成後のポリタンク洗浄は念入りに行うこと」と言えそうです。
何の成分が影響したのかについてまではわかりませんが、いずれにしても機材は良く洗うことが大切であることを実感しました。